Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

近藤彰氏の「どーもの休日」という闘病記

2016年06月30日 | 読書

 6月30日(木)

 図書館で何気なく借りた「どーもの休日」というありふれた題名の本は、元NHK記者だった近藤彰氏が書いた闘病記です。私と同年齢の近藤氏は、定年直後に余命1年の膵臓ガンと宣告される。彼は1年後の終焉まで闘病の日々を細かに自身のブログに綴り、その記事をまとめたのがこの本です。

 私も13年前に胃ガンを患ったからガン患者の心情は何となく判るが、末期ガンとなれば話は別で奈落の底へ突き落されたような心境になるだろう。「昔、悟りをひらいた高僧に「末期ガン」を告げたら直後に自殺した。」という話を聞いた事がある。(今時は偉い坊さんでもセクハラをする時代だから、こんな話し不思議でも無いか。)

 この本を読み進んでいくと近藤氏の強い精神力に深い感銘を受ける。一般的な闘病記に見られる哀しみや絶望感は無く、闘病の日々が素直な気持ちで、時にはユーモアさへ交え淡々と書き綴られている。

 元報道人であったとは言え、名も無き一市民の彼が何でこんなに強靭な平常心を持ち合せているのだろうか、その人間力の強さには心を打たれる。

 死はどんな人にも訪れる間違い無き現実、最後の生き様は如何にあるべきか、この本は力強い人生の道標になってくれるだろう。彼のブログ「どーもの休日~しかしなんだね。ガンだって~」も閲覧可能です。毒にも薬にもならぬ私のブログと違い、このブログも深い。ぜひご一読を。

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