6月24日(金)
今年はやけに熊出没のニュースが多い。北海道の羆はオッカナイけど本州に棲む月の輪熊はおとなしくて臆病な性格と思っていたが、市街地で度々目撃されたり青森では4名の人が殺されたりした報道を聞くと、熊への認識を改めなければならないのかも知れない。
私も熊との遭遇は2回あり、道央の芦別岳山頂で見た時は遠く離れていたので「オー羆がいる。」と怖さより喜びの方が大きかったが、道北で数十メートル先の道路を羆が横断する姿を見た時は、一瞬フリーズし頭が真っ白になって本当に恐かった。
だけど熊さんの目線で考えれば、元々は俺達の領域なのに人間どもが勝手に踏み込んだり家を建てたりし、運悪く鉢合わせしたら「熊が出た。」と大騒ぎして、挙句の果てに鉄砲という卑怯な飛び道具で俺達を殺す。人間の方がはるかに理不尽で残虐な生き物じゃないかと言いたいのではなかろうか。
もし私が裁判官ならば殺人は悪い事だが生存権を主張する熊さん側に正義はあり、執行猶予で罪を免ずる判決を下すだろう。熊が生息できるというのはそれだけ自然が豊かだという証明でもある。その豊かな自然を求めて登山者は山へ行く。熊も棲めぬような貧相な自然しかない山に魅力は無いのだ。
山での先住権は明らかに熊さん側にある。だから山に入る時は熊鈴や笛などで自分の存在を明らかにし、「お邪魔ですけど今から登らせて頂きます。」という謙譲な心掛けが人間側に必要何だと思う。私はこんな気持ちで今後も山に登ろうと思うので、熊さんもし偶然お会いした時はソッと優しく見守ってくださいね。