ある時、宮下富実夫に映画の主題歌の仕事が入った。英語圏用に日本の民謡の英語版を作って主題歌にするという指示を受けて、英訳は専門家に頼んで、歌は昔、日本でジミー時田のバンドでウェスタンをやっていた人に頼んだという。わたしたちの役目はバック演奏と囃しことば「ナカナカナンケ、ナカナンケ」とコーラスすることだった。スタジオはガナパーチのPARANAVA STUDIOを使用した。ワイワイとみんなで打楽器類を叩き祭りの雰囲気をだした。そのとき普段キーボードでは気付かない島健のリズム感に驚いた。
映画ができあがって喚ばれた試写会に行くと、それは神代辰巳監督の「一条さゆり 濡れた欲情」という作品だった。英語版を作ってアメリカで公開する目論見のようだった。試写会では演奏を集中して聴き作品は流して見たけれどその後、アメリカで実際に公開されたのかどうかは定かではない。大島渚監督の映画『愛のコリーダ』の世界的大ヒットに肖(あやか)っての企画だったのだろうか。
fumio
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