monologue
夜明けに向けて
 



 
レーベル名をつけるとき、わたしたち夫婦の「FUMIO & RITSUKO YAMASHITA」の頭文字をとって「FRY」レコードにしたのだがだれかが「飛びそうな名前だね」と言っていた。でもフライはフライでも揚げるフライの綴りなのでフライパンをロゴマークにしてラベルを作った。

 
 Bill Smith というレコード製作工場に「マスターリング・ラボ」でマスターリングした、A面「カリフォルニア・サンシャイン」、B面「セイ・ツゥ・ミー・マイ・ベイビー」の各原盤(マスター)を持ち込むとまず「SHEFFIELD LAB MATRIX」社で表裏各181ドル5セント、両面計タックス込み345ドル34セントでレコードスタンパーを作ることになった。

 それから宣伝ポスターの不要部分を裁断したジャケット歌詞カードとまん中に貼るレーベル(ラベル)とナイロンレコードカバーを持っていってレコードプレスを頼むと1984年3月9日に片面661ドル5セント、両面でタックス込み1199ドル95セントで日本風シングルレコード1000枚がついに完成した。よく知らない作業もあったけれどそれは作詞作曲、演奏、歌、録音、その他、ほとんど全部手作りのレコードだった。前例がないことをやるのはだれかの真似ができないので失敗だらけでも面白い。もうレコードという形態の媒体の時代は終わって久しいのでこうしてアメリカでのレコード製作の手順と細かい値段などを記しておけば将来だれかの資料として役に立つかもしれない。
fumio

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