monologue
夜明けに向けて
 



「BS世界のドキュメンタリー」の「ソウル・ディープ」シリーズの第3回はモータウン・レコード の話しだった。黒人ファンだけでなく白人層にも受けるポップ路線に成功してデトロイトの自動車工場さながらにヒット曲を大量生産したオーナーのベリー・ゴーディ・ジュニア(Berry Gordy, Jr.)は独裁的で社会的な内容の歌はリリースさせなかったという。しかし時代の変化に抗しきれずモータウンの中心ガールグループ、スプリームスもLove child という歌で全米ナンバーワンに輝いた。その頃、高校を卒業していたわたしは「Love child」というのは「子供を愛しなさい」ということだと思っていた。しかしそれは当時米国に蔓延して問題になっていた「私生児」の意味だったのだ。スプリームスのメンバーは恋愛や甘い綿菓子のような夢ばかりを追う歌を卒業して社会的に深い内容の歌を歌ってヒットしたことに誇りを感じていた。わたしはそんなことに気付かずただそのサウンドのカッコ良さだけを聴いていたのである。
fumio

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