monologue
夜明けに向けて
 




 及其与妹相闘於泉平坂也、伊奘諾尊曰、始為族悲、及思哀者、是吾之怯矣。

 時泉守道者白云、有言矣。曰、吾与汝已生国矣。奈何更求生乎。吾則当留此国、不可共去。

 是時、菊理媛神亦有白事。伊奘諾尊聞而善之。乃散去矣。

『日本書紀』一書より
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「中国革命の父」、中華民国では国父と呼ばれる孫文と、宮崎滔天とが明治43年5月中旬に中国革命について話し合った白山神社の祭神は白山菊理媛神と伊奘諾尊伊弉冉尊。その菊理媛神(くくりひめのかみ)は、『古事記』や『日本書紀』本文には登場せず、『日本書紀』の一書のこの箇所に一度だけ出てくる。

伊弉冉尊(いざなみ)に逢いに黄泉を訪問した伊奘諾尊(いざなぎ)は、伊弉冉尊の変わり果てた姿を見て逃げ出したのだが泉津平坂(黄泉比良坂)で追いつかれ、口論する。そこに泉守道者が現れ、伊弉冉尊の言葉を取継いで「国生みしたのにまだ何を求めるのか。一緒に帰ることはできない」と伝える。納得できない伊奘諾尊に菊理媛神が何かを言うと、伊奘諾尊はそれを褒め、帰って行ったということである。
手がかりは『日本書紀』一書のこの記事だけだが白山菊理媛神とはどなただろうか。明治維新や中国革命を支援するような神霊とは、はたして…。
fumio

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