monologue
夜明けに向けて
 



将棋のプロ棋士とコンピューターソフトによる五対五の団体戦「電王戦FINAL」の最終局が東京都渋谷区の将棋会館で行われた。棋士とソフトがともに二勝で決着局となる。
プロ棋士阿久津主税(ちから)八段(32)がソフト「AWAKE(アウェイク)」を誘いの隙に角を打ち込ませて捕獲する「ネズミ取り」と呼ばれる嵌め手に誘い、ソフト開発者で元奨励会員の巨瀬(こせ)亮一さん(27)は、「AWAKE(アウェイク)」が敵陣に角を打ち込んだ時点で嵌め手にハマってしまったことを理解してわずか21手で投了した。

 対局前にはソフトを改良できないルールがあるので、事前貸出でこの嵌め手が毎回効くことを確かめたプロ側は「ネズミ取り」を使用すれば必ず角の捕獲は約束されていた。わたしも試しに他のソフト「ボナンザ」や「柿木将棋」で「ネズミ取り」を仕掛けるとやっぱりソフトは角を打ち込んでしまうので毎回角を捕獲できることを知った。
第二局で永瀬拓矢六段(22)が成れる角を成らずに王手し、ソフトが王手を認識できないプログラムの不備を突いて反則勝ちした時も、将棋を愛する多くのファンはがっかりしたものだった。ファンは将棋の技での勝負を見たいのに実際はプロ棋士がソフトの不備を突くことで勝負がついてしまった。これで棋士3勝ソフト2勝となって棋士にとってはめでたしめでたしの結末となったが終了後の会場の雰囲気の重苦しさには驚いた。心ある将棋ファンにとっては見苦しい終わり方だったのかも…。
fumio

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