1991年3月21日に 宇宙神霊ARIONの媒介者、北川恵子氏がA氏の詩(3/4)として発表された「赤い月の形としての物語」全文
*赤い月の形としての物語*
〔プロローグ〕
銀色の舟の娘は、葦の夢の中に分け入る。
ゴーマは、星の形を散りばめた布の国から。
暗い日々の夜明けは、黒い羊の葬られた所へ。
「見よ」と声がする。
叫びは鳥の鳴き声と共に、夜明けの町にこだまする。
人は赤い月の表面に、メイオウの影を読み取る。
その時、隠されていた嘆きは壺の中から出てくる。
1
子供の柔らかい肌に、悲しみの黒い雨。
その染みは、大人になっても残るだろう。
この染みは岩屋の向こうから狙っている獣の標的となるだろう。
多くの人が口にする言葉はもはや何の力も持たない。
バビロンの夢は、シバの思い。
イカヅチと共に、鷲の巣を砕く。
2
ジャンヌはもはやフランスから来ないだろう。
黒い旗はむしろカリブの方向から来るだろう。
「さて」と娘は話す。
「私は何処に着くのでしょう」
そう、娘の舟は月の影を回り、そしてヴィナスの夢を見る。
大いなる「海王」と、大いなる「眠りの王」との
楕円の舞踏会では、「火の王」と「木の王」とが密談を交わす。
ひとり外れて「土の王」が嘆く。
「水の王」は娘のために舟を出す。
3
わざわいは、あなたがたの胸ポケットの中から。
苦しみは、海の水から来るだろう。
火を吹く6頭立ての戦車は、日本の国の頭の部分に攻撃を加える。
日本の国は、大いなる虐殺の後にアジアの稲を自国に蒔く。
日本の国は「鯨の夢」を貪るだろう。
国賓と呼ばれる影の人々が、この国を手中に収めようとしている。
4
銀色の 娘は、その形をもって判断する。
血と水を分ける。
鉛と銀を分ける。
風を空気から、分ける。
石を岩から散り出す。
そして、太陽の下へと帰るだろう。
〔エピローグ〕
地には這いずりまわる者の音が満ち、
天には炎が満ちる。
オメガはアルファであり、点であり線であることを
その黄金の火柱の中に、人々は見いだすだろう。
自分たちの望み、願うものがこの中にあるのかを
翼を切り取られた者たちは、考えるだろう。
火を吹く楕円には解答は無い。
線を描く卵にも、解答は無い。
解答は地を這う者の中にある。
現実と呼んでいる夢の中から、砂金を探すように目を凝らし
耳を澄まし、声を大にして探せ。
これより先に舟を見つける手だては無い。
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発表当時はほとんど意味不明だったが2024年現在の目で読めば様々な部分に首肯できる。
fumio
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