昨日の記事に書いた、父の最期を看取ってくれたホスピス医長・小澤先生の著書です。
僕は上智大学内「生と死を考える会」で、小澤先生がまだ医学生だったときに知り合いました。
小澤先生は山形で田舎の先生を経たあと、僕の実家の隣駅のホスピスにやってきました。
ホスピス病棟で働く体験を通し、「命を限られる」という絶望のなかで、なお希望を持って強く生きていく、多くの患者さんたちに出会ってこられました。
病気によって様々なものを奪われていっても、周りの人との関係によって大切な存在価値を与えられ、新たな生きる意義を見出していくといいます。
本書は、全ての苦しむ人のために書かれた本です。
苦しみの中からこそ逆に得ることができる、人間の本当の幸せ,本当の価値は何かというメッセージが込められています。
人は、苦しいときこそ最も豊かなのです。
(翻って、境界性人格障害の人は、苦しみを希望に転換していくという、この人格の力に障害があるというのが、如何ともしがたくやり切れないことです。)