昨日の「博士の愛した数式」に引き続き、またまた上映後客席から拍手が起こった映画です。
久々に骨太の感動を味わいました。
炭鉱で働く女性ジョーシー。
彼女らに対する性的迫害や偏見などと闘う主人公を、シャーリーズ=セロンが熱演します。
前作「モンスター」で、女性連続殺人犯という難役に、美貌を捨て去り体重13㎏増やして挑んだシャーリーズ=セロン。
今回も炭鉱という男の世界で、身も心も泥まみれになりながら体を張って立ち回りました。
暴力夫と別れ、二人の子を育てるために、炭鉱で働き始めたジョーシー。
しかし男社会の象徴とも言えるような炭鉱では、数少ない女性労働者は色眼鏡で見られ、屈辱的なセクハラや差別に苦しめられます。
ジョーシーは組合に、そして裁判に訴えますが、同僚の女性たちさえも更なる迫害を恐れて、証言を拒み、ジョーシーから離れていきます。
無理解や蔑視のなか孤立無援で争うジョーシーは、封印していた過去の深い傷まで暴かれることになってしまいます。
しかし本当の強さとは、自分の弱さを認めるところから出てきます。
ジョーシーのひたむきさに心を動かされた仲間たちが、一人、また一人と、「スタンドアップ」していくのでした。
お涙頂戴ではなく、人の汚さや愚かさをも見据えて克服していく姿に、深い感銘を禁じ得ません。
「私なんか、と何度も思った。
お前なんか、と何度も言われた。
それでも、立ち上がってみようと思った。」
この映画のコピーが心に残ります。