「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「生死命(いのち)」

2006年02月04日 19時11分20秒 | 心理
 
 昨日の記事「病院で死ぬということ」(書庫「映画」)に書いた、拙著「生死命(いのち)」を紹介させていただきます。

 10年ほど前、小学館ビッグコミックに連載されたマンガで、僕は原作のシナリオを書きました。

 ホスピスケアをテーマとし、主人公・市丸大(いちまるだい)の成長記でもあります。

 タイトルの「生死命(いのち)」は、「生命」には「死」も含まれるという意味の僕の造語です。


 東京の大学病院で最先端の技術を身に付けた市丸大は、実家の医院を営む父親が末期がんになったので、治療のために帰省します。

 大は自分の腕で何とか父を救おうとしますが、抗がん剤の副作用など、治療のために父がかえって苦しい思いをすることに疑問を感じはじめます。

 そして、最期のときを安らかに迎えるサポートをするのも医者の役割ではないかと気付き、大学病院をやめて実家の医院でホスピスケアを始めるという話です。


 今ではホスピスの考え方は普及し、僕の父も知り合いのドクターのホスピスで息を引き取りましたが〔*注〕、当時は日本でのホスピスケアの走りでした。

〔*注:1月5日の記事「父の最期」参照。TB↓〕

 過度の延命治療の中止,モルヒネの使用,告知,患者の自己決定権,遺族の癒しなど、テーマごとに話を作りました。

 感動して涙が止まらなくて困ったという人たちも大勢いました。(^^;)

 人間らしい医療を求めようとする大と、クールで論理的な院長・江波が対立軸になります。

 そして、大の幼なじみ・美佐は天真爛漫、患者の心のケアをたくまずして身に付けているような看護師で、大にハッパをかけます。

 シリアスな内容の話ですが、当時の人気投票では「ゴルゴ13」などの後に続いて、結構いい線いっていたと思います。(^^;)


 単行本として1~2巻が出ましたが、今は絶版になっています。

 下記のページで古本が入手できるようです。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/409184121X/qid=1139026177/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-8795889-9241126
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091841228/qid=1132240358/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/249-8795889-9241126