「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性人格障害の心理

2006年02月18日 19時09分55秒 | 心子、もろもろ
 
 ボーダーの人は人格の「核」が育まれなかったため、苦しみや悲しみに向かい合うことが非常に難しいのです。

 葛藤を冷静に見つめたり、自分を省みる自我の力が弱いと言えます。

 心子にとって自分の言動を否認されることは、生存そのものが消滅してしまうくらい恐ろしいことでした。

 彼女の過激な反応は、その恐怖を振り払って生き延びるための、命がけのあがきなのです。


 生きる値打ちがあるのかどうか見いだせず、自分を大事にする気持ちがもろく壊れやすい。

 それを無意識に取り繕うため、優秀さを気取るマスクをかぶり、相手が自分より劣って間違っていると主張することで、自分が非難されるのをなりふり構わず阻止しようとします。

 もし相手が危険な人物だと見なされれば、自分がやられる前に先制攻撃をかけます。

 そうしている間は、底なしの悲嘆や喪失感に直面しないですむからです。

 闘うことで、辛くも倒れないよう持ちこたえているのです。

(続く)
 
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