「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーレス時代の象徴

2006年02月17日 19時55分17秒 | 心子、もろもろ
 
 ボーダーの人は、本来発達するべき人格が育ちませんでした。

 安定した自己がなく、衝動を自制できないのが中心的な症状であるとも言われます。

 そのため自分の願望通りにいかないと、感情をコントロールできなくなってしまいます。

 キレる若者たちのことが言われて久しいですが、子供に適切な愛情を与えられない親が増加し、子供の健全なメンタリティの発育が妨げられることと関係していると思います。

 現代は父親や母親の役割をはじめ、世の中の伝統的な価値観の枠が揺らぎ、様々な物事の輪郭があいまいになってきています。

 それに伴って、確固とした人格の形成がしにくくなってしまいました。

 境界性人格障害は、ボーダーレス時代の象徴的な心の障害です。

 彼らは社会の枠組みの境界線上にいて、一触即発の雲行きでさまよっているのです。

(続く)
 
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