『過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く』というのは、まさしく僕が一番振り回されたものです。
心子は自分自身に対しても、並外れた夢や気概と、無力感や絶望との両極を行き戻りする、『不安定な自己像』を擁していました。
『目まぐるしい気分の変動,不安定な感情』『不適切で激しい怒り。それを制御できない』というのもその通りです。
そして心子は『見捨てられることを異常に恐れ』、自分が見捨てられそうに感じ取ると、傷つく前に自分から相手を見捨ててしまうのです。
また、心子の手には「吐きダコ」がありました。
過食しては指を喉に突っ込んで嘔吐を重ねるため、指に歯が当たる部分にタコができるのです。
これは『衝動的で自分を破綻させるような行為(過食)』に相当します。
薬をまとめて大量に飲んだこと(物質乱用)もあったといいます。
(ただし浪費や不特定多数のセックスなどはありません。)
それから心子は『自殺行為や自傷行為』もしたことがあると聞いていました。
これは「行動化(アクティング・アウト)」と言われますが、心子は生きていても仕方ないという『空虚感』に捕われてしまうのです。
(続く)