「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子と境界性人格障害診断基準

2006年02月11日 15時37分44秒 | 心子、もろもろ
 
 『過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く』というのは、まさしく僕が一番振り回されたものです。

 心子は自分自身に対しても、並外れた夢や気概と、無力感や絶望との両極を行き戻りする、『不安定な自己像』を擁していました。

 『目まぐるしい気分の変動,不安定な感情』『不適切で激しい怒り。それを制御できない』というのもその通りです。

 そして心子は『見捨てられることを異常に恐れ』、自分が見捨てられそうに感じ取ると、傷つく前に自分から相手を見捨ててしまうのです。


 また、心子の手には「吐きダコ」がありました。

 過食しては指を喉に突っ込んで嘔吐を重ねるため、指に歯が当たる部分にタコができるのです。

 これは『衝動的で自分を破綻させるような行為(過食)』に相当します。

 薬をまとめて大量に飲んだこと(物質乱用)もあったといいます。

(ただし浪費や不特定多数のセックスなどはありません。)

 それから心子は『自殺行為や自傷行為』もしたことがあると聞いていました。

 これは「行動化(アクティング・アウト)」と言われますが、心子は生きていても仕方ないという『空虚感』に捕われてしまうのです。

(続く)
 
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