アリゾナ州ツーソンの砂漠の中。
フェンスも塀もないオープンスペースに広がるオアシスのような緑、パステルカラーの建物。
日当たりのよいテラスでは、人々が三々五々語り合っています。
手をつないで歩くカップルや、元気に走り回る子どもたちもいます。
夕方からはバーベキューを囲み、まるでリゾート地のようです。
「ここが犯罪者の甦生施設?」
誰もが驚くに違いないでしょう。
ここでは、甦生を目指す犯罪者を「レジデント(居住者)」と呼びます。
でも誰がレジデントで誰がスタッフなのか、見分けがつきません。
互いを「ファミリー」と呼び合い、服装は自由、食事も一緒、皆フレンドリーです。
一般の刑務所や少年院のような、「刑務官対受刑者」の上下の関係や管理体制は感じられません。
スタッフもレジデントも、同じコミュニティ(共同体)の一員という位置づけなのです。
(続く)