アミティのプログラムは受容的であるため、受刑者に対して本来の刑罰的な意味合いを持てないのではないか、という懸念があります。
しかし受刑者たちは、今まで記憶の底に押し込めていた、虐待や迫害などの無残な体験に直面するという、この上なく辛い作業を強いられるのです。
それは非常に厳しい刑といえるかもしれません。
そして、その道のりを経ないことには、彼らの精神が立ち直っていくことはありません。
アミティの思想を学ぶことは、暴力の連鎖を断ち切り、「憎しみの再生産」ではなく「命のつながり」を実感することです。
「罪を犯したのはその人の一部」であると、犯罪者を全人格的に捉えていくことが求められます。
そのとき、我々自身の価値観が問われます。
人が変われるかどうかは、その人が希望を見つけられるかどうかにかかっています。
それには、その人の可能性を信じ、一人の人間として受け入れていくという支えが、何よりも大切でしょう。