昨年観た、自殺をテーマにした映画、「樹の海」が出色でした。
瀧本智行監督のデビュー作です。
死という重いテーマを扱いながら、時にほんのりしたものが漂い、
全体から細部に至るまで 考え抜かれた構成で、新人監督とは思えない力量でした。
心子をはじめ、心の病で死に傾いてしまう人たちが沢山おり、
健康や経済的な理由で、毎年3万人以上の自殺者が続いている、
“自殺先進国”の日本です。
そんな人たちにも、何かを感じてもらうことができるでしょうか?
どのエピソードも、僕には命のいとおしさを感じさせ、
生きていく光を指し示してくれました。
この映画には、人間は落ちるところまで落ちても、
必ずまた昇っていけるという メッセージが込められています。
もし、ボーダーの人の心の苦しみには届かないとしても、
人が生きていく明かりを 灯してくれるのではないでしょうか。
小品ながら、シナリオがしっかりしていれば、お金をかけなくても
立派な映画ができるという、証の作品だと思います。
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36765684.html