「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「嫌われ松子の一生」

2006年06月06日 19時43分44秒 | 映画
 
 中学教師をしていたとき、生徒の窃盗事件で不始末をおかして退職。

 同棲相手にDVを受けた末、その相手に自殺され。

 不倫が破局して、ソープ嬢になり。

 新たな同棲相手を殺害し、自殺未遂。

 連行されて服役。

 次の同棲相手はやくざで逮捕される。

 それから10年以上世間との交流を絶って、引きこもり生活。

 53才のとき、河原で中学生に殴り殺される。
 

 ……とまあ、悲惨で不幸な一生を送った松子。

 暗く重い映画になりそうな話を、「下妻物語」の中島哲也監督は、

 松子が愛しくなるようなファンタジーに仕立て上げました。

 ミュージカルあり、CGあり、紙芝居のようでもあり、アニメのようでもあり、

 悲劇も笑って楽しめる、見たこともないような映画です。

 決していい人間ではない松子にも感情移入し、

 むごい人生でもいいじゃないか、という気持ちになってしまいます。

 主演の中谷美紀は、今までにない汚れ役、というよりも、“きたない役”という感じがするのですが、

 よくぞこなしたと、「あっぱれ」をあげたい思いです。

 松子のその時々の相方をつとめる脇役に、豪華な俳優陣やコメディアンなど、

 ユニークな顔ぶれが登場しているのも見どころです。

 満席で立ち見状態の館内でしたが、今年の話題作の1本ですね。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする