「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「フラット革命」 第二章 「よるべなく漂流する人たち」 (2)

2007年12月06日 22時29分55秒 | 心理
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51562845.html からの続き)

 90年代後半から 2000年にかけて、瑞穂さんが 苦しんでいた時期は、

 戦後日本が 崩壊していった時期と 重なるといいます。

 戦後日本の 組織・経営は 「家」 であり、

 そこには 「安心」 と 「隷属」 が 同居していました。

 しかし 90年代にこれらが瓦解し、等質な社会から 格差社会へとなっていきます。

 優れた能力を持った 一部の人は、家的な会社組織から 飛び出して

 活躍できるようになりました。

 一方で、フリーターや ニート,ホームレスなど、

 居場所をなくし、社会との糸が 切れてしまった人々がいます。

 しかし どの立場の人も、同じ状況に 巻き込まれているといいます。

 自分の立ち位置は どこなのか? 

 様々なコミュニティと どのように繋がればいいのか? 

 自分自身で 確認していかなければならないのです。

 瑞穂さんと社会を結ぶ 「糸」 が インターネットでした。

 出会い系は 体の関係だけでなく、安心感や安らぎを感じたり、

 尊敬できる相手にも 出会える。

 彼女は、出会い系に対する 世間の誤解を修正していきたい、

 そのために サイトから発信しています。

 瑞穂さんは ふたつのことを願っていました。

 インターネットの出会い系を通して 自分の存在を確認すること、

 そしてそこから、人とのきずなを 復活させること。

 そのために彼女は、出会い嬢としての 〈わたし〉 を ネットで公開しました。

 その先に 「個」 の確立された 自分を発見し、

 社会の中での 自分の位置を 特定できるのではないか? と。

 そこで彼女は、普通では得られないような 「人脈」 を得ました。

 これからの世界は ネットによって、

 〈わたし〉 が 〈公〉 に 繋がるようになるでしょうか。

 ネットによって、人は救済されるでしょうか。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51592751.html
 
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