心子は 敬虔なクリスチャンでした。
余りにも 純粋すぎた彼女は、人間の愛情に 期待しては裏切られ、
苦しめ続けられたので、際限のない神の愛に すがったのでした。
クリスマスは イエスの誕生日ですが、その生涯は 苦難に満ちていました。
そして、人間の罪を贖って 十字架に架けられ、生命を捧げたのです。
心子の人生も、苦しいことに あまた苛まれていました。
でも 心子もまた、何人か分の苦しみを 肩代わりして、
そのか弱い背中に 負っていったのではないか、などとも思います。
その分、誰かが 苦しみから救われ、罪を 許されたのではないだろうか……。
そんなふうに考えると、彼女の小さな生死命 (いのち) も、
とても意義あるものだったのではないか と思えます。
人のために 自ら身をもって 犠牲になることを、
少しも厭わない 心子でした。
昨晩のクリスマスイブは、神様や お父さん,お兄さんたちと共に、
楽しく 幸せな一夜を 過ごしたのではないでしょうか。
僕の親父やお袋たちとも、一緒に宴を 囲んでくれたと思います。
僕も 寝酒にワインを飲みながら、心子を偲びました。
心子がプレゼントしてくれた クリスタルグラスで。