( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/56022998.html からの続き)
「素っ気ないA医師」 「逆ギレのB医師」 「親身なC医師」 の
3人が紹介されています。
境界性パーソナリティ障害の人が、
診療中に 非常識・失礼な態度を取るのは よくあることです。
それに対する 医師の反応は、治療の技量が 如実に現れます。
患者の言動を、対人関係の問題を 洞察させるきっかけとすることが 理想的です。
受け流して 深入りしないというのも 一理ある技法です。
キレるのは 最低でしょう。
けれども、境界性パーソナリティ障害の 治療者として最悪なのは C医師です。
境界性パーソナリティ障害の治療では、枠組みを保つことが 何より重要です。
診療時間外や診察室以外で 付き合いが生じたら、治療の崩壊です。
手を握るという 身体接触は論外です。
C医師の対応は、境界性パーソナリティ障害の人の 見捨てられ不安が
その時は解消されます。
しかしその結果、次の機会には 要求がエスカレートしていきます。
この先生は 本当に頼れるのか、次第に無理な “試し” をするのがパターンです。
C医師は ある時点までは 誠実に応じますが、いつか必ず限界がきます。
そのとき起こるのは、信頼から絶望への転落です。
そうなったら最後、信頼できる医師を見つけるのは 極めて困難になってしまうのです。
翻って、実はA医師が 一番いい治療者だったかもしれません。
とにかく 話は聞いてくれたわけです。
結果を急がず、こうした医師の治療を 受け続けることが
回復につながることが多いものです。
〔 「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集 」
林公一 (保健同人社) より 〕