境界性パーソナリティ障害の人の、 認知, 感情, 行動の反応に見られる
特有の癖を、 自覚して 修正していく必要があります。
例えば、 カッとして 暴言を吐いてしまう 人の場合、
どういう状況で どういう反応をしたかを、 細かく語ってもらいます。
そして、その人がそう感じ、受け取ったことをまず尊重して、共感するように努めます。
そのうえで、 冷静な視点で もう一度 振り返ってもらうようにします。
カッとしたときの 相手の言葉は、 別の意味である 可能性はなかったか?
どうして そのように感じたのか?
他にも 同じ反応をしてしまったことは なかったかなど、
心の謎解きをしていくのです。
(次の記事に続く)
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
心子の主治医の先生は、 心子に 人格障害であるとは 言っていませんでしたが、
その認識を 心子と僕とで共有し、 自分を見つめ直していく 作業はできないかと、
先生に質問したことがあります。
先生は 一瞬考え込み、
僕は恋人として 支えることをしていったほうがいいと 言われました。
恋人の立場で、 治療的な向き合い方は 難しいということだったのでしょう。
当時は情報も少なく、
上記のような方法を 心子との間で 取ることはできませんでしたが、
トライしたらどうだったか、 今となっては 心残りな気がします。