「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

小さな成功体験から 変化が始まる

2010年04月20日 22時14分46秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 回復する過程には、 自信を取り戻すことが 不可欠です。

 傷ついた自己愛を、 周囲の人が どうにか支える段階が まずあって、

 少しずつ 一歩を踏み出していきます。

 例え 小さなことでも、 自分が認められる 体験をすると、

 またチャレンジをしようという 勇気が湧いてきます。

 最初はゆっくり、 三日坊主でも やめればいいと割り切って 始めればよいのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 「BPD家族の会」 の参加者からも、 お子さんである BPDの人たちは、

 自分に自信が持てず、 仕事もできないでいるという 状況をしきりに聞きます。

 「高機能BPD」 「低機能BPD」 という言い方は 好きではないのですが、

 言ってみると心子は  「高機能BPD」 だったのでしょう。

 対外的には 仕事は人並み以上に こなしていましたし、

 何をやっても できてしまうという面もありました。

 自分が目指すことに対しては、 どんな過酷であっても、

 艱難辛苦を乗り越えて 立ち向かっていく がむしゃらさも持っていました。

 しかし、 それが一度 わずかでもくじけると、

 一挙に自己卑下や 絶望に陥ってしまいます。

 自己愛性的な面があると同時に、 自己評価が低く、

 自分は生きる価値もないという 自己否定に苛まれていたのです。

 「BPD家族の会」 の参加者からも、

 BPDの人は 頑張るときは本当に頑張る という話しも聞きます。

 完全を求めて 頑張ってしまいますが、 求めていたことが100%できないと、

 やっぱり 自分は全くダメだと 一遍に落ち込んでしまいます。

 半分でもできたら上出来だという 適当さが必要なのでしょう。
 
コメント
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