ボーダーの人の中には、 ネガティブな感情を和らげるために、
「あなたが鬼」 というゲームを する人がいます。
ボーダーの人は 自分を 「鬼」 のように感じており、
他の人たちが自分から 逃げていくように思ってしまいます。
誰かと鬼ごっこをして その人を 「鬼」 にすることで、
この苦しみに対処しようとします。
これが 「投影」 と呼ばれます。
投影とは、 自分の中にある 不快な性質や行動, 感情を、 他の人のせいにして、
自分では認めようとしないことです。
手鏡で自分を見るようなもので、 鏡の中の自分を醜いと思ったち、
鏡を裏返すことで、 醜い顔を自分ではなく、 他の人のものにするのです。
あるボーダーの人は、 自己嫌悪の中に どっぷり浸かっていると、
憎しみが洪水のように 周りの人や物に溢れていく、 と言っています。
・ 投影を理解する
時に投影は、 事実に基づくものを 大げさにする場合があります。
例えば あなたがイライラしていると、
ボーダーの人は 自分を憎んでいると言って、 あなたを責めるかもしれません。
あるいは、 投影が 全くの想像から 生じる場合もあります。
あなたが店員に尋ねているだけで、
ボーダーの人は イチャついていると責めるかもしれません。
それでしばらくは 気が楽になりますが、 苦しみは戻ってきます。
そして ゲームは繰り返されるのです。
(次の記事に続く)
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕