「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

全てあなたが悪い

2012年10月16日 19時33分27秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より

 延々と続く非難や批判も、 外に向かって行動化する人の 防衛機制です。

 批判は、 事実を誇張したものだったり、 一方的な空想だったりします。

 これも 見捨てられ不安に関連しているかもしれません。

 ボーダーの人の 無意識な思考過程は、 次のようなものです。

 「もし私に 間違ったことがひとつでもあれば、 私の全てが間違っている。

 皆は私を見捨てるだろう。

 だから私には 間違ったところなどあってはならない。

 あるとすれば、 それは誰かのせいだ」

 怒りや衝動も、

 実際には 関心を引き出すための、 見当違いの試みに過ぎないのです。

 批判に異議を唱えたり、 自分を守ろうとすれば、

 彼らはあなたを 防衛的だとか神経質だとか 非難するかもしれません。

 彼らの生存がかかっているので、 母熊が小熊を守るように、

 どう猛になって 自分を守ろうとするのです。

 危機が過ぎ去ると、 彼らは

 あなたがまだ腹を立ててるのを 不思議だと言わんばかりに 振る舞うかもしれません。

 あなたに 空虚な内部を見られないようにしているのです。

 あるいは解離を起こして、 全く異なったことを 思い出しているかもしれません。

 もちろんあなたは 不快感を覚えます。

 このサイクルが 何度も繰り返されます。

 あるボーダーの女性の言葉です。

 「彼をけなすときは、 見捨てられたとか、 彼が愛してくれないって感じてる。

 すごく恐いの。

 どうしていいか分からなくなって、 わめき散らしてしまう。

 あとになって、 彼がいなければ どうにもならないと気付いた。

 恥ずかしくなって もう二度と そんなふうにしないと誓うの。

 でもいつも そうしてしまう。」

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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