キューブラー・ロスは、 「続・死ぬ瞬間」 の中で、
悲嘆反応 (喪失体験のプロセス) の 5段階を述べています。
ボーダーの人を気遣っている ノン・ボーダーラインの人にも当てはまります。
○ 否認
彼らの行動が普通でないことを 認めようとしない時があります。
ノン・ボーダーラインの人が 社会から孤立しているほど、
情報が入ってこないため、 否認する機会は増えます。
ボーダーの人は 自分の行動を ノン・ボーダーラインの人のせいにするので、
ノン・ボーダーラインの人は 否認を続けることになります。
○ 怒り
怒りに対して、 怒りで反撃する人がいます。
火に油を注ぐようなものです。
ネガティブな感情も 全て正常なものであり、 感情はただ存在するのです。
感情を発散し、 受け入れてもらえる 安全な場所が必要です。
○ 取引
この段階では、 愛する人の行動を “正常” に戻すために、
何らかの譲歩をします。
ボーダーの人が望むことをすれば、 必要なものが手に入るだろうと 考えるのです。
しかし支払う代償は 非常に大きいものです。
譲歩は これで充分ということはないでしょう。
要求はさらに大きくなり、 新たな取引をしなければならなくなります。
○ 抑うつ
取引に支払った 代償の大きさに気付いたとき、 うつ状態に陥ります。
友人や家族, 自尊心, 趣味その他を失ってしまうのです。
○ 受容
ボーダーの人の 「良いところ」 と 「悪いところ」 を 統合し、
彼らは両方を併せ持っていると 気付いたとき、 受容の段階が生まれます。
ノン・ボーダーラインの人は 自分の選択に 責任を持てるようになり、
人もまた その人の選択に責任があると 考えられるようになります。
自分自身とボーダーの人を理解したうえで、
二人の関係をどうしていくか 決めることができるのです。
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕