「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーの人の行動を受けた ノン・ボーダーラインの人の悲哀

2012年10月23日 21時01分02秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 キューブラー・ロスは、 「続・死ぬ瞬間」 の中で、

 悲嘆反応 (喪失体験のプロセス) の 5段階を述べています。

 ボーダーの人を気遣っている ノン・ボーダーラインの人にも当てはまります。

○ 否認

 彼らの行動が普通でないことを 認めようとしない時があります。

 ノン・ボーダーラインの人が 社会から孤立しているほど、

 情報が入ってこないため、 否認する機会は増えます。

 ボーダーの人は 自分の行動を ノン・ボーダーラインの人のせいにするので、

 ノン・ボーダーラインの人は 否認を続けることになります。

○ 怒り

 怒りに対して、 怒りで反撃する人がいます。

 火に油を注ぐようなものです。

 ネガティブな感情も 全て正常なものであり、 感情はただ存在するのです。

 感情を発散し、 受け入れてもらえる 安全な場所が必要です。

○ 取引

 この段階では、 愛する人の行動を  “正常” に戻すために、

 何らかの譲歩をします。

 ボーダーの人が望むことをすれば、 必要なものが手に入るだろうと 考えるのです。

 しかし支払う代償は 非常に大きいものです。

 譲歩は これで充分ということはないでしょう。

 要求はさらに大きくなり、 新たな取引をしなければならなくなります。

○ 抑うつ

 取引に支払った 代償の大きさに気付いたとき、 うつ状態に陥ります。

 友人や家族, 自尊心, 趣味その他を失ってしまうのです。

○ 受容

 ボーダーの人の  「良いところ」 と 「悪いところ」 を 統合し、

 彼らは両方を併せ持っていると 気付いたとき、 受容の段階が生まれます。

 ノン・ボーダーラインの人は 自分の選択に 責任を持てるようになり、

 人もまた その人の選択に責任があると 考えられるようになります。

 自分自身とボーダーの人を理解したうえで、

 二人の関係をどうしていくか 決めることができるのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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