「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

あなたが鬼 : 投影というゲーム (2)

2012年10月15日 19時35分31秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

・ 投影のもうひとつの目的 : 再び注意を向けさせること

 ボーダーの人は、 自分が完璧でないと分かれば、

 あなたに見捨てられるだろうと 無意識のうちに恐れています。

 否定的な性質や感情を あなたに投影することは、 彼ら自身の完璧なイメージに、

 あなたの注意を 再び向けさせようとすることなのです。

 ボーダーの人が言うことの中に 正しい点があるかどうか、 吟味してみてください。

 全てが投影というわけではありません。

 しかし投影を行なっていたら、 ゲームをストップし、

 「鬼」 になることを 慎重に断る必要があります。

・ 投影のプロセス

 ボーダーの人の中には、

 自分の存在そのものに 根本的な欠陥があるとして、 羞恥心を感じている人がいます。

 しかしスプリッティングのため、

 欠点を認めれば 自分が完璧でなくなってしまうので、 どんな欠点も否定します。

 こうして投影が完成されます。

・ 投影性同一視

 ボーダーの人に 非難され続けていると、

 あなたが それを真実だと 思い込んでしまう場合があります。

 非難が事実になるように、 あなた自身が 行動し始めることさえあります。

 これを 「投影性同一視」 と呼びます。

 ボーダーの人の批判に 洗脳されるように感じる人もいます。

 「嘘もつき通せば、 みんな信じるようになる」 という、 予言のようなものです。

 子供は未成熟なので、 投影性同一視の影響を 非常に受けやすくなります。

 親が期待していることをしなければ (悪いことも含めて)、

 親の愛情を得られないと 感じてしまいます。

 成人でも、 自己評価が低く、 アイデンティティが脆弱な人には、

 投影性同一視は 大きな影響を与えます。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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