(前の記事からの続き)
・ 投影のもうひとつの目的 : 再び注意を向けさせること
ボーダーの人は、 自分が完璧でないと分かれば、
あなたに見捨てられるだろうと 無意識のうちに恐れています。
否定的な性質や感情を あなたに投影することは、 彼ら自身の完璧なイメージに、
あなたの注意を 再び向けさせようとすることなのです。
ボーダーの人が言うことの中に 正しい点があるかどうか、 吟味してみてください。
全てが投影というわけではありません。
しかし投影を行なっていたら、 ゲームをストップし、
「鬼」 になることを 慎重に断る必要があります。
・ 投影のプロセス
ボーダーの人の中には、
自分の存在そのものに 根本的な欠陥があるとして、 羞恥心を感じている人がいます。
しかしスプリッティングのため、
欠点を認めれば 自分が完璧でなくなってしまうので、 どんな欠点も否定します。
こうして投影が完成されます。
・ 投影性同一視
ボーダーの人に 非難され続けていると、
あなたが それを真実だと 思い込んでしまう場合があります。
非難が事実になるように、 あなた自身が 行動し始めることさえあります。
これを 「投影性同一視」 と呼びます。
ボーダーの人の批判に 洗脳されるように感じる人もいます。
「嘘もつき通せば、 みんな信じるようになる」 という、 予言のようなものです。
子供は未成熟なので、 投影性同一視の影響を 非常に受けやすくなります。
親が期待していることをしなければ (悪いことも含めて)、
親の愛情を得られないと 感じてしまいます。
成人でも、 自己評価が低く、 アイデンティティが脆弱な人には、
投影性同一視は 大きな影響を与えます。
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕