「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーラインの人の行動パターン (2)

2012年10月18日 20時25分18秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

○見捨てられ不安と飲み込まれ恐怖

 時にボーダーの人は、

 「離れていてよ。 もう少し近いところで」 と 言っているかのようです。

 この行動パターンは、 ふたつの相反する 根源的な恐怖から生じます。

 見捨てられることへの恐怖と、

 人にコントロールされたり 飲み込まれたりする恐怖です。

・ 見捨てられ不安

 幼いときは誰でも 見捨てられ不安を経験します。

 成長するにつれて、 自立して、 家族の加護から 離れていこうとします。

 2才の子供は、 得意気に遊び場を走り回り (自立)、

 転ぶと 泣きながら親の所へ 駆け寄っていきます (依存)。

 次第に 双方のバランスが取れるようになり、 成人期には、

 見捨てられ不安や飲み込まれ恐怖に 支配されることなく、 自立を果たします。

 ボーダーの人は、 他者に没入したい衝動と、 自立願望の間で 引き裂かれます。

 ある時は 親密さや保護を求め、 ある時は あなたを遠ざけようとし、

 つじつまが合わないものになります。

・ コントロールを失うことへの恐れ

 ボーダーの人は、 人が近づきすぎると 飲み込まれそうに感じたり、

 コントロールを失うような 恐怖を感じます。

 あなたが 彼らと親密になり、 彼らの本当の姿を 目にすると、

 不快感を覚え、 彼らから離れていくことを、 彼らは恐れています。

 そして 傷つくことを恐れて、 距離を取るようになります。

 しかし 距離を取れば孤独になり、 見捨てられ不安は強まります。

 再び 死に物狂いで親密さを求め、 このサイクルが繰り返されるのです。

 サイクルは 数日, 数週間, 数ヶ月, 数年単位かもしれません。

 親密度が高まるほど、 見捨てられや飲み込まれの問題も 深刻になります。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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