ネタは降る星の如く

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派遣労働法改正論議

2007-03-29 20:06:32 | 時事
 関心のある話題なので、メモ代わりに貼っておく。

派遣労働の“自由化”は「改悪の流れ」
改正論議の主なポイントは、(1)派遣先企業による、派遣社員の事前面接の解禁(2)派遣先企業による直接雇用申し込み義務の撤廃(3)契約期間の制限の撤廃、の3点。いずれも、派遣社員の権利を擁護する立場からすると、改悪の流れを助長する動きだと私たちは考えている。

まず(1)事前面接の解禁。事前面接とは、派遣を受け入れる会社が、受け入れ前に派遣社員を面接して選別するという行為だ。派遣社員の所属する派遣会社が、企業からの要請を受けて、派遣社員を選ぶのが本来の派遣労働の成立の流れ。事前面接は労働者派遣法で禁止されているのだが、実際には、「職場見学」「事前打ち合わせ」といった名目で横行しているのが現状だ。

2)と(3)の契約期間の制限の撤廃は、問題の根源は同じところにある。派遣社員という働き方の固定化につながるということだ。

労働者派遣法は元来、派遣期間に制限を課してきた。その理由は、労働者派遣法の精神にある。派遣労働はあくまで正規の常用雇用の「補完」であって「代替」ではないということ。長期に渡って派遣社員を受け入れるなら正規に雇い入れるべき、つまり「派遣という働き方を固定化するべきではない」ということだ。

派遣業務は大きくいうと、事務機器操作やソフト開発、アナウンサーなど26の専門的業務と、それ以外の業務に分けられてきた。2004年に施行された改正・労働者派遣法では、26の専門的業務の方で、派遣期間は最長3年までとしていた規制を撤廃した。その上で、企業に直接雇用の申し込み義務を課した(※)。

26業務以外の業務には、原則1年 最長3年の期間の制限を設けたままだった。今回の議論は、こちらの期間制限も撤廃しようというものだ。


制度整っても現実に使えるか疑問
■では近年の法改正では、派遣社員にとってのメリットはなかった?

山崎 法と現実とのギャップが大きすぎる。法改正での利点といえば、05年に育児・介護休業法が改正され、制度上は派遣社員でも育児休業が取れるようになった。ただし条件が、「1年以上同じ会社で仕事をしており、さらに子供が1歳を超えてからも雇用される予定の人」となっている。派遣社員の契約は、3カ月、場合によっては1カ月ごとの更新の積み重ねなので、企業は「あなたは子供が1歳を超えてからも雇用される予定ではない」と言ってしまえば、それで済む話。制度は整っても現実に使えるかといえば、別だ。

■派遣社員の意識は変化しているのでしょうか。

山崎 格差社会の論議が高まり、雇用の流動化が引きおこす問題が世の中に認知されることが、変化を起こしている側面はあると思う。

派遣社員の側の権利意識も、少しずつ変わってきている。朝日新聞の報道で火がついて、世間に浮き彫りになった製造現場での「偽装請負」問題では、派遣労働が請負を偽装するための手段として使われていた。「自分たちの働き方が問題になっている」と驚いた人も多かっただろう。

私たちも、相談者の変化に対応しなければならない。派遣労働ネットワークは、元々は、女性を中心とした事務職の派遣社員の問題を扱うことが多かったが、最近は製造現場で働く派遣労働者からの相談も、増えてきている。また男性でも事務職の派遣社員として働きたい、と希望する人も増えている。

けれども、それにしても私のみる限り、派遣社員は自分たちの働き方、雇われ方の状況について、十分に勉強したり、疑問を持ったりしていないように感じる。知識があれば、いざ問題が起きたときに、派遣先や派遣会社に訴えることもできるが、知識がなければあきらめて泣き寝入りするしかない。もっとも私自身も契約社員として働いていたことがあるので分かるが、非正規雇用で働いていると、日々正社員との待遇の格差を実感し、次第に労働意欲が萎えてくるもの。自分の置かれた立場について、改めて「問題かどうか」を考える気力も、声を上げる気もなくなってしまう。


 自分たちの雇用環境を取り巻く法的な部分に知識がないのは、何も派遣社員だけのことには限らないだろう。ただ、正社員の方が法的にも雇用の面で優遇されているから自分の身を守るために知識武装する必要を感じる機会が少ないというだけのことのように思う。

 いずれにしても、労働を巡る法律の改正がいくつか検討されているので、この機会にちょっと勉強しておこう。



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