朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

信楽 たぬき

2012-12-20 | 国内各地の風物

全国的に有名な信楽狸のクリスマス衣装です。


(信楽温泉 多羅尾乃湯にて)

かつて紫香楽宮として、奈良時代に聖武天皇が離宮をおいた滋賀県の山中の町、信楽の名産は焼き物です。

陶器としてやや厚手の滋味あふれる風合いが特徴ですが、とりわけ目立つのが、これら狸の焼き物です。



街中、どこにいってもこんな風に屋外に展示されています。



大きすぎて夜中に持って行く人もいないのでしょう。



この店の三代前の店主がその元祖だそうです。



「たぬきや総本家 狸庵」

”三重から9才の時、京都の伯父のもとに引き取られ、清水で修行、11才頃からロクロをひいていたといわれる初代の銕造さんは、その修行中に音羽川河原で大小の狸たちが跳ねたり、クルクル走りまわる、いわゆる狸の腹鼓を目撃され、「可愛いなぁ」と記憶に留められていたとか。
 銕造さんはその後昭和10年頃に日本一大きな土瓶制作依頼を受け、大物なら清水より信楽でと思い立って移住されますが、夢で「狸をつくりなさい」とのお告げを受け、陶製狸の置物づくりに専念されることになります。
 当初はコツコツと作られていた狸ですが、昭和26年11月に、昭和天皇が信楽を行幸された際、沿道に旗をもった陶製狸を並べてお迎えしたことを、天皇が大変お気に召され、

「をさなどき あつめしからになつかしも 信楽焼の狸をみれば」

と詠われた歌がマスコミ報道されたのをきっかけに、信楽狸が全国的に大流行することになりました。”
(引用:http://www.shigaraki-labo.co.jp/shigaraki/rian.html)

昭和天皇さんはもともと狸が好きであったそうで、その気持ちとこの信楽狸の像がうまくマッチしたのですね。終戦後まもない経済的混乱と全国的に貧困状態のなかで、このユーモラスな「キャラクター」が人々の心を和ませたのでしょう・・なるほど。

コメント (2)
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