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江夏正敏の「闘魂一喝!」
「小泉元首相の「原発ゼロ」を斬る!(後半)」
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昨日の「闘魂メルマガ」のつづきです。
前半 http://blog.goo.ne.jp/georgiarule/e/1510c5fbd1cfbdcea00e2205252c3ee4
小泉元首相が日本記者クラブで「原発ゼロ」の講演には、論点が2つありますが、今日は2番目の論点です。
2番目の論点は「核廃棄物の最終処分場のメドをつけられると思う方が楽観的で無責任」とういもので、
いわゆる「トイレなきマンションをどうするか」ということです。
まず、放射性物質などは、実は自然界にはありふれた存在なのです。
たとえば、アフリカのウラン鉱には天然の原子炉の形跡が発見されています。
原発から作り出される高レベル放射性廃棄物は、自然の中でも作られていたのです。
また、ウランは世界の海の中に45億トンも溶けています。太陽自体も天然の核融合炉で、宇宙には放射線が飛び交っています。
また、地球内部も何十億年も熱を発し続けている使用済み核燃料そのものです。
温泉やプレートの動きなどは、地球内部の核崩壊によって生み出されるエネルギーが元になっています。
このように、人類が利用しているエネルギーは、元をたどれば天然の原子力から生成されているのです。
また、最終的に生み出される高レベル放射性廃棄物は、他の産業廃棄物と比べて圧倒的に小さいのです。
日本の原発が年間に排出する核燃料廃棄物は、年間1000トンほど。化石燃料だとCO2だけで年間12億トンです。
原発1基を1年間フル稼働させて再処理をすると、最終的に半径20センチ、高さ1メートル程度のガラス固体化30本ぐらいになります。
原発でエネルギーを賄ったとき、人間一人が一生で排出する核廃棄物はゴルフボール1個分です。
原子力とはそれほど廃棄物が少ない技術なのです。ですから、再処理施設を稼働させることが喫緊の課題です。
現在、高レベル放射性廃棄物は、再処理施設や中間貯蔵施設などに保管されています。
今はコスト面での問題があるので、使用済み核燃料から有用物質を取り出して再利用するには至っていませんが、第四世代原子炉、高速増殖炉などで再利用できるようになると、廃棄物どころか、人類にとって宝物になる可能性を秘めいています。
ですから最終処分を急ぐ必要はないとも言えるのです。
よって、日本では高レベル放射性廃棄物について、安定的な形態(ガラス固化体)にして30~50年程度冷却のため貯蔵を行った後、地下300m以深の地層中に処分(地層処分)することを基本方針としています。
「日本でも火山や活断層を避ければ安定的な地質環境は確保できる」との報告があります。
ロシアや中国、モンゴルなど、人間が住んでおらず、膨大な土地が余っている国との共同プロジェクトを組むこともあり得ます。
先ほど論じたように放射性物質はもともと地球の内部にあるのです。これを地球内部に還すことは、それほど不自然なことではないのです。
それまでは再処理・プルサーマルなどで高レベル放射性廃棄物を減らしていくことが必要です。再利用の可能性もあります。
また、技術の進歩による放射性物質の消滅(半減期の短い核種に変換)等の可能性を目指すべきでしょう。
違うオプションとして、深海底での安全な保管や最終処分が可能になるかもしれません。
海は非常に大きく、すでに莫大な量の放射性物質が溶けています。
ですから、廃棄物を投棄しても海に溶けている膨大な放射性物質(ウランで45億トン)に比べたら全く問題ないレベルと言えます。
ウランやプルトニウムは重い原子なので、海底深くに沈んでいきます。
ガラス固化体にして、頑丈な容器に入れ、海溝に沈めれば、やがてプレートと一緒に地球内部に巻き込まれていくでしょう。
ロシアや中国は、かなりの量を日本海に沈めたとも言われています。(今は国際条約で禁止されていますが)
小泉氏は「10万年後に通じる言語を想定できないから危険だ」などと言っていますが、
地球には天然の原子炉があるように、放射性物質はありふれた存在とも言えるのです。地球や宇宙は原子力によって生きているのです。
それよりも「原発ゼロ」による大気汚染で、年間100万人もの人たちが世界で死亡していくのをどのように感じるのでしょうか。
小泉氏は「廃棄物処理ができていないから無責任」と言っていますが、小泉氏の「代替エネルギーはみんなで考えたらできるんじゃないか」という楽観的な考え方の方が、無責任なのではないでしょうか。
廃棄物処理の方は、政治の決断で実現可能ですが、代替エネルギーはできてもいないのですから。
そもそも東日本大震災は、関東大震災の50倍ほどの規模でした。そして一番重要な原子炉がビクともせず、すべて安全に停止したのです。
本当に千年に一度の地震に耐えられたのです。
「安全神話が崩壊した」と言われていますが、「安全神話が誕生した」という見方が本当でしょう。
問題は津波による電源喪失によって冷却できなかったことなのです。その対策は、現在、全国で十分すぎるほど行っています。
そして、今、福島では放射線と格闘していますが、現在の放射線量は避難をする必要がないほど低いレベルであり、逆に健康が増進するぐらいです。
1mSvで除染とか、20mSvで帰還とか議論していますが、世界平均で2.4mSvの放射線を日常的に浴びています。
イランのラムサールという都市では、最高で年間260mSvもの環境の中で、普通に生活しているのです。
ですから、何百億円、何千億円、下手すると何兆円のお金を使って除染をする必要はありません。
そして、全員即時、ふるさとに帰ることができるのです。
逆に、報道被害によって国民の恐怖心をあおり、無理な避難生活のストレスで多くの方が亡くなっています。
その責任は誰が取るのでしょうか。
小泉氏の発言には、勉強不足を感じられます。
直観と感性で発言しているのでしょうが、その視野は世界レベルにあらず。
人間の生存、国防、宇宙時代への戦略、そして世界平和、人類の幸福を考えたときに、「原発ゼロ」は地球的正義とは言えません。
私は小泉氏を評価していた面があったのですが、今回の発言はとても残念です。
やはりポピュリズムの傾向があるようです。
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2、編集後記
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幸福実現党の大川総裁は「日本人が民族として生き残りたければ、核の技術は捨ててはならない。
それは、すでに核兵器を大量に保有していたり、
開発しようとしている悪しき隣人への抑止力となるとともに、
爆発する世界人口増を産業的に支える命綱でもある」と警鐘を鳴らしています。
小泉氏登場によって、予断を許さない状況になりました。
原発は必要であることをしっかりと訴えてまいります。
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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール
1967年10月20日生まれ。
福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。
広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。
幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
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◆ 発行元 ◆
江夏正敏(幸福実現党・政務調査会長)
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