http://the-liberty.com/article.php?item_id=12649
アメリカのトランプ大統領はこのほど、辞任したマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)に代わって、米陸軍能力統合センター所長のH・R・マクマスター陸軍中将を起用すると発表した。
マクマスター氏は、1991年の湾岸戦争で活躍し、敵対する武装勢力との交戦において勇敢さを示した兵士に授与される「銀星章」を受章。イラク、アフガニスタン戦争にも従事した「中東通」として知られる。
2014年には、米タイム誌から「21世紀の米軍で、傑出した軍事思想家かもしれない」と評されたほどの逸材。マクマスター氏は今後、同じく中東通であるジェームズ・マティス国防長官とともに、中東の混乱を生んでいる「イスラム国」打倒に向けて動き出す。
トランプ側近には中東通が多い
大統領執務室。
マクマスター氏とマティス氏以外にも、トランプ氏の信頼が最も厚い娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問も、中東政策の調整役と言われている。クシュナー氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を自宅に泊めたこともあるほど、イスラエルとのパイプが太い人物である。
トランプ氏がクシュナー氏をどれほど信頼しているかは、日本の総理大臣官邸に当たるウェスト・ウィング内部を見れば分かる。大統領執務室の隣には、大統領書斎と専用のダイニングルームがあるが、その横の部屋にクシュナー氏の執務室がある。
【ホワイトハウス見取り図】http://4knn.tv/oval-office/
「オーバルオフィス」=大統領執務室
⑧=クシュナー氏執務室
つまり、クシュナー氏は、大統領に最も近い場所に部屋を構え、しかも大統領執務室には、自室内のドアから直通で行き来できる人物なのだ。マイク・ペンス副大統領やラインス・プリーバス首席補佐官より、「格上」と言える。
「イスラム国」は今年で消滅する
こうした人事を見ると、今後、トランプ政権が中東政策を重視していくのは明らかだろう。果たして、「イスラム国」打倒の行方は、どうなるか。
この点について、大川隆法・幸福の科学総裁は、トランプ氏が大統領選で勝利した翌日に行った英語説法「On Victory of Mr. Donald Trump」で、こう指摘している。
「2017年には、ロシアとアメリカの関係において結論が出ますので、ISの問題は終わるというのが私の予測です。ロシアはシリアに影響力を及ぼし、アメリカは再びイラクに影響力を振るい、最終的にISは消え去るでしょう」(『トランプ新大統領で世界はこう動く』所収)
トランプ氏は、「イスラム国」問題を解決するために、中東通で脇を固めつつ、ロシアとの関係を改善させるつもりなのだ。
ホワイトハウスの権力を取り戻す
共和党の非主流派や政治経験の少ない人物であっても、重要な役職に抜擢しているトランプ氏。このやり方に、多くのマスコミは批判を浴びせているが、同氏がそうした人物を起用したのは、繰り返し語ってきた「ワシントンから権力を取り戻す」ためだろう。
だが現在、トランプ氏が指名した閣僚をめぐり、民主党が非協力的な態度をとり続けている結果、議会承認の遅れが目立っている。トランプ氏は、勝利した選挙戦で掲げていた公約を実行するためにポストを指名しているのだから、民主党がやっていることは単なる嫌がらせにすぎない。
トランプ氏は、自身の考えを効率的に実行するといった観点から、ホワイトハウスのポストを決めている。根回しや各派閥の配慮などに時間をかける旧来の政治家とはかけ離れている。そんな姿からは、「仕事をいかに早く終わらせるか」という実業家の顔が浮かび上がる。トランプ氏の中東政策に注目だ。
(山本慧)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1767
【関連記事】
2017年1月号 大川総裁だけが見抜いていた トランプ大統領が「正しい選択」である理由 - 2●17年 日本のチャンスhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12256
2017年1月17日付本欄 トランプ次期大統領の「エルサレムに大使館」発言 強硬姿勢には過去世の影響も?http://the-liberty.com/article.php?item_id=12466
2016年12月25日付本欄 イスラム教とキリスト教の対立は解決できるか? 【大川隆法 2017年の鳥瞰図(7)】http://the-liberty.com/article.php?item_id=12394