一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

国内向けの抗議の不毛

2006-01-05 | 日中関係
領事館員自殺 中国「職務の重圧、日本表明」 外務省「事実でない」
(2006年 1月 3日 (火) 03:32産経新聞)

年末年始の注目の話題のひとつでしたが、週刊文春の年末号の記事をきっかけにした国民の批判をかわし、アピールするための抗議じゃないかと思います。

なにしろ2004年の事件以降遺族の意向に配慮して水面下で4回抗議していた、というのであれば、今さら急に公式に抗議するのはマスコミ対策以外の何ものでもないでしょう(遺族への配慮はもういいのか?)
※ ニュースの少ない正月にぶつけてアピールして、関心が去ったらフェードアウトするとしたら、それこそ遺族は浮かばれません。
また、そもそも中国情報機関の活動だとしたら中国側は絶対に認めるはずがない(決定的証拠があればとっくに出しているはず)ので、議論は平行線になるしかないのですから。


ところでそもそも外務省職員は何で自殺までしたのでしょうか。そこが僕にはよくわかりません。
外交官として少なくとも身の安全は保証されているので、暴露されたとしても家庭が壊れるくらいの話です。それが怖くて自殺するくらいなら(あえて中国国内で)誘いに乗らなければいいわけで、少なくとも外交機密を預かる人間としての自覚に欠けるように思います。
それとも、外務省の中での極端な減点主義があってキャリアの終わりを悲観したとか?
またはひょっとして、フーバーFBI長官が女装プレイの写真をネタにマフィアに脅迫されていたように、社会的地位を失うくらいの弱みを握られていたのでしょうか?
※そう考えると既に「変態」として認知されている山拓は強いですねw
※もうひとつ余談ですが、民間人が同様な目にあったら、単に「身から出たサビ」と言われて終わりのような気がするのですが・・・


どうも日中間の議論というのは、外交論争というより国内向けのアピールという色合いのものが多すぎるような感じがします。かなり以前のエントリに書いたのですが靖国問題への中国の反応なんかもそうじゃないかと思います(もっとも靖国参拝について僕自身は両手を上げて賛成ではないのですが)


政権の国内向けのアピールのために国民感情を煽るのはお互いにやめたほうがいいと思います。
問題解決に向けての冷静で建設的な議論をできる素地をつくるのが外交なんじゃないか、というのは素人の理想論なのかしら。



それに、中国に抗議するなら、まずは尖閣諸島で中国が行っている天然ガス開発でしょう。
領事館員問題でここまでがんばるのであれば、これについては、もっと継続的かつ徹底的に(少なくとも中国の靖国参拝批判以上には)抗議すべきだと思います。
また、陣取り合戦だけじゃ大人気ないとしたら、国際社会を巻き込んで大陸棚の地下資源の所有問題の議論をする必要もあるんじゃないでしょうか
※ もし水面下で日本が資金供与をしての共同開発の話でも進めているのならお見事ですが
コメント
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