一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

もうひとつの王子の敵対的買収

2006-09-13 | ネタ

あまり知られていない話ですが、 斎藤投手、進学を表明の発表を受け、慶應大学では水面下で斎藤祐樹君の獲得を検討しているそうです。

実現すれば早慶の系列を飛び越えての初の推薦入学による引き抜きとなり、少子化の中で優秀な学生獲得のために大学も敵対的買収の時代に入った転換点として語り継がれる案件となることは確実です。


一般にある大学の付属高校の生徒がほぼ無試験でその大学に入学できるとしても、生徒がその大学に進学することは義務ではありません(そんなことをしたら憲法違反です。)。
つまり付属高校の生徒は大学入学についてのプット・オプション(一定の価格で売る権利)を持っているわけです。
ただ、大半の生徒はエスカレーター式の高校に進学した以降は勉強へのインセンティブを失ってしまい価値が下落するために、結果的にプット・オプションを行使することになるわけです。

しかし、斎藤君の場合は、オプション価格をはるかに上回る価値を実現している以上、早大進学は「安売り」(=早大側の一方的な得)になりかねません。


そこに割って入ろうとしているのが慶應です。

慶應側は本人・両親をつぎのように説得しようと考えています。  

・早実での3年間は十分以上の恩返しをした。これ以上情にほだされずに自分の人生を冷静に考えたほうがいい。 
・斎藤君のキャラクターは早稲田よりもむしろ慶應のカラーに合っている。 
・早稲田の野球部からプロで大成した投手は少ない(ソフトバンクの和田くらいでその前はロッテの小宮山)。 
・1年生から突出した実力を発揮した場合先輩の理不尽ないじめに会う可能性がある(89年仙台育英高校で夏の甲子園準優勝投手し、早稲田大1年のときに優勝に貢献したものの野球部に合わずに中退、その後外野手としてダイエーに入団した大越選手の例など)
・斎藤君の活躍で早稲田もメリットを受けているのであるから、早稲田に対して義理を過大に感じる必要はない。ここで慶應に転進して成功すれば早稲田と慶應の両方から支援を受けられる、と前向きに考えてほしい。 

しかし最大の問題点は、早稲田大学と斎藤君のシナジーに疑問を投げかけることはできても、慶應大学と斎藤君のシナジーを合理的に説明できる根拠もないことです。
(たとえば慶應出身の投手でプロで大成した投手はもっと少ない)


この点には、豊富な野球部OBの実績や、プロ球界・大リーグにも人脈豊富な星野仙一(阪神タイガース シニア・ディレクター)を交渉役に仕立てて斎藤君獲得合戦に参入すると噂されている明治大学との競合においても懸念されるポイントです。  


したがって、あとは慶應の総合力が早稲田より優れていることをOBなどの側面支援でアピールするしかありません。  

しかし、現時点では「ハンカチ王子」の愛称の元になったタオルについて、慶應OBである、ハンカチーフ大手の ブルーミング中西㈱社長 中西一晃 氏から新たなトレードマークになるような「斎藤君オリジナルタオル」製作についての協力の内諾を得ている程度です。  

また、現在東京で同居している大学生の兄の就職先を慶應OBが社長になっている会社に斡旋するなども検討されていますが、このM&A新時代においていかにも旧来型の手法が市場の支持を得られるかが疑問視されています。  


以上のように慶應側の手詰まり感は否めず、獲得合戦に名乗りをあげずに終わる可能性もかなり高いようです。



王子もまだまだ安心できません・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする