初日のプログラムがひととおり終わり、おつかれさまでした、というところで、裁判長から「ちょっとお時間をいただいて今までのおさらいをしたいと思います」とのひとこと。
明日はほぼ丸1日評議が行われるので、頭の整理をしておきましょう、と。
最初に評議に当たっての心構えとして「裁判官の合議では『乗り降り自由』という言葉があります。自分の意見もおかしいと思ったらいつ修正・変更してもいいし、他人の意見に対しても賛否が変わってもかまいません。何が正しいと思うかを中心に考えてください。」というお話をいただく。
確かに仕事でも「誰が正しい」モードになると為にする議論になってしまいがちなので、これは大事だと思います。
まずは大きな流れだけ整理しておきましょう、ということで、犯行前後の事実関係について皆で復習しながら、若い裁判官が被告人、志村、加東の3人の証言を3段に並べてホワイトボードに書いていきます。
志村が加東の部屋に来て「被告人に呼び出された、けんかになるかもしれないので止めに入ってくれ」といわれる。被告人は高架下で既に待っていた。(加東証言)
寮からでてきた志村が被告人に向かい「何の用だ」といい、被告人はむかついた。(被告人証言)
加東は2,3分後に心配になって寮を出た。(加東証言)
被告人と志村は1mくらいの距離に近づき、被告人は包丁を取り出しいきなり志村の左胸を刺した。志村は被告人の右腕を押さえ「加東さん来てくれ、助けてくれ」と叫ぶが、更に右胸を刺され、血が吹き出てきた。そのあとは力が抜けて覚えていない。自分の包丁をいつ抜いたかも覚えていない。(志村証言)
もみ合って大声を上げた記憶はあるが覚えていない(被告人証言)
加東が寮を出たところで叫び声がしたので駆けつける。「木村(=被告人)、何をするんだ」「志村を刺した、止めないでくれ、志村を殺す、俺はどうなってもかまわない」被告人は志村の胸倉をつかんで、志村は自分の胸を押さえていた。ただし、追加の加害行為をする様子はなかった。(加東証言)
加東は被告人の手から包丁を引き離した。包丁を持つ手には相当力が入っていた。(加東証言)
加東が来て手を押さえられた。(被告人証言、ここではじめて記憶が戻る)
志村を横にし、被告人から引き離した。被告人は逃走する様子はなかった。そのうちに警察が来た(加東証言)
※警察は通行人が呼んだ。
とまあ、こんなところですね。
加害行為に殺意があったかなどの争点や論点は、明日の論告求刑と最終弁論の後に十分時間をとってありますのでそこで議論しましょう。
お疲れ様でした。
ということで1日目は解散しました。
さすがに丸一日、慣れない話を集中して聞いていたので疲れました。
運動した後の筋肉痛同様、脳味噌の普段と違う部分を使った感じがします。
帰り道、『七人の侍』のDVDを借りようか(特に加東大介の役が気になって仕方がない)、とか、コンビニに寄って被告人が酩酊状態になったといわれる「缶入り水割り2本+缶チューハイ2本」を空腹状態で飲んでみようかなどという不埒な考えも頭をよぎったのですが、ちょっとそこまでの元気は残っていませんでした。
かわりに検察側弁護側両方から資料がいっぱい配られ、整理もできない状態だったので、とりあえず紙ファイルに順番に綴じたうえでインデックスをつけてみて(インデックスは評議室の事務用品になかったのですがあると便利だと思いました)、もう一度読み返してみました(少々お酒を飲みながら^^;)。
裁判員全員、家に帰ってからもいろいろ考えたそうで、特に元居酒屋経営の女性はなんと深夜2時までかけてそれぞれの証言についてメモに整理したそうです(本当にこの女性の姿勢には頭が下がりっぱなしでした)。
実際の裁判員制度では、資料を家に持ち帰ってはいけないのでしょうが、自分なりに資料を整理して頭も整理する時間がないと、翌日までの間、とてももやもやした気分になりそうです。
明日はほぼ丸1日評議が行われるので、頭の整理をしておきましょう、と。
最初に評議に当たっての心構えとして「裁判官の合議では『乗り降り自由』という言葉があります。自分の意見もおかしいと思ったらいつ修正・変更してもいいし、他人の意見に対しても賛否が変わってもかまいません。何が正しいと思うかを中心に考えてください。」というお話をいただく。
確かに仕事でも「誰が正しい」モードになると為にする議論になってしまいがちなので、これは大事だと思います。
まずは大きな流れだけ整理しておきましょう、ということで、犯行前後の事実関係について皆で復習しながら、若い裁判官が被告人、志村、加東の3人の証言を3段に並べてホワイトボードに書いていきます。
志村が加東の部屋に来て「被告人に呼び出された、けんかになるかもしれないので止めに入ってくれ」といわれる。被告人は高架下で既に待っていた。(加東証言)
寮からでてきた志村が被告人に向かい「何の用だ」といい、被告人はむかついた。(被告人証言)
加東は2,3分後に心配になって寮を出た。(加東証言)
被告人と志村は1mくらいの距離に近づき、被告人は包丁を取り出しいきなり志村の左胸を刺した。志村は被告人の右腕を押さえ「加東さん来てくれ、助けてくれ」と叫ぶが、更に右胸を刺され、血が吹き出てきた。そのあとは力が抜けて覚えていない。自分の包丁をいつ抜いたかも覚えていない。(志村証言)
もみ合って大声を上げた記憶はあるが覚えていない(被告人証言)
加東が寮を出たところで叫び声がしたので駆けつける。「木村(=被告人)、何をするんだ」「志村を刺した、止めないでくれ、志村を殺す、俺はどうなってもかまわない」被告人は志村の胸倉をつかんで、志村は自分の胸を押さえていた。ただし、追加の加害行為をする様子はなかった。(加東証言)
加東は被告人の手から包丁を引き離した。包丁を持つ手には相当力が入っていた。(加東証言)
加東が来て手を押さえられた。(被告人証言、ここではじめて記憶が戻る)
志村を横にし、被告人から引き離した。被告人は逃走する様子はなかった。そのうちに警察が来た(加東証言)
※警察は通行人が呼んだ。
とまあ、こんなところですね。
加害行為に殺意があったかなどの争点や論点は、明日の論告求刑と最終弁論の後に十分時間をとってありますのでそこで議論しましょう。
お疲れ様でした。
ということで1日目は解散しました。
さすがに丸一日、慣れない話を集中して聞いていたので疲れました。
運動した後の筋肉痛同様、脳味噌の普段と違う部分を使った感じがします。
帰り道、『七人の侍』のDVDを借りようか(特に加東大介の役が気になって仕方がない)、とか、コンビニに寄って被告人が酩酊状態になったといわれる「缶入り水割り2本+缶チューハイ2本」を空腹状態で飲んでみようかなどという不埒な考えも頭をよぎったのですが、ちょっとそこまでの元気は残っていませんでした。
かわりに検察側弁護側両方から資料がいっぱい配られ、整理もできない状態だったので、とりあえず紙ファイルに順番に綴じたうえでインデックスをつけてみて(インデックスは評議室の事務用品になかったのですがあると便利だと思いました)、もう一度読み返してみました(少々お酒を飲みながら^^;)。
裁判員全員、家に帰ってからもいろいろ考えたそうで、特に元居酒屋経営の女性はなんと深夜2時までかけてそれぞれの証言についてメモに整理したそうです(本当にこの女性の姿勢には頭が下がりっぱなしでした)。
実際の裁判員制度では、資料を家に持ち帰ってはいけないのでしょうが、自分なりに資料を整理して頭も整理する時間がないと、翌日までの間、とてももやもやした気分になりそうです。