一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

疑わしきは

2007-12-11 | あきなひ

鹿島6億円裏金作り 大分キヤノン工場受注 国税局指摘
(2007年12月10日(月)16:03 朝日新聞)

大手精密機器メーカー「キヤノン」(本社・東京都大田区)の大分市内のプリンター関連機器工場建設をめぐり、工事を受注した大手ゼネコン「鹿島」(同港区)が下請け業者への外注費を装って裏金を工面していたとして、東京国税局に約6億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。うち約5億円の使途について鹿島は最終的な支払先を明かさなかったため、使途秘匿金として制裁課税を受けた。
(中略)
また、大分市の二つのデジタルカメラの工場の建設工事を、キヤノン会長で日本経団連会長の御手洗冨士夫氏の知人が経営する大分市内のコンサルタント会社が鹿島にあっせんし、手数料として鹿島から計約4億円が支払われていたことも分かった。  

またこの社長が経営する大分市の別の会社も、キヤノンの川崎市のプリンター関連研究施設など三つの大規模工事を鹿島にあっせんした謝礼として、鹿島から約9億円の手数料を受け取ったという。

天下の鹿島建設にしては「裏金」にもなってないじゃないかという別の観点からのつっこみもあるのですが、この手の噂はけっこうあります。
大きな取引になると必ず出てくるお抱えのブローカーとか、小さい話では某大企業の応接に行くと必ず地下のコーヒーショップから出前のコーヒーが出されるけどそれは大物会長の愛人が経営しているだとか、いろいろです。


ところで問題は、来年3月に施行される「犯罪による収益の移転防止に関する法律」で、疑わしい取引について特定業者に関して届出義務が課されたことです。
この法律第2条で「犯罪による収益」の定義として「組織的犯罪処罰法第二条第四項に規定する犯罪収益等又は・・・」とあり、同法の「犯罪収益等」の定義(法別表)の中には特別背任が含まれています(第4項)。

となると、上のような噂があった場合に、届出義務が発生するのでしょうか。

現在犯罪収益移転防止法の施行規則などがパブリック・コメントに付されていて(参照)届出対象となる取引についても金額基準があるようなので、いきなり営業に行って怪しい業者の出前でコーヒーを出さたからといって届ける必要はないようですが、大きな取引で出てくるブローカーが「いかにもこいつ裏金を出してやがんな」という奴だった場合には微妙な判断を迫られることになりそうです。


「コンプライアンス違反」という攻撃を恐れて、形式的に該当する取引は全部届け出る、なんて会社が出やしないかと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする