弁護側の最終弁論が思いのほか長かったので午前中の評議の時間は1時間弱くらいしか残されていませんでした。
検察側は論告において証言の信憑性については特に言及しませんでしたが、弁護側は志村証言の信憑性について疑義を呈しました。まずは証言をもとにどのような事実があったのかから議論することに。
最初に検察側弁護側双方にあまり議論のなかった加東証言ですが、裁判員の間ではけっこう議論になりました。
原因は、被告人の「志村を殺す」云々の部分だけが妙に細かいところにあったようです。
最初志村に止めに入ってくれと言われたのに放っておいて、でも心配になって外に出たこと、30mくらいの距離なのに駆けつけるまでは現場のことを見ていないという一方で、被告人の発言だけは鮮明に覚えているといいます。
その辺から、加東は野次馬的にかかわっていたのではないか、事情聴取を受ける中で自分なりにストーリーを組み立てているのではないか、などという疑問が呈されました。
逆に、加東は被告人とも志村とも親しく、どちらかに偏っている(味方している)という感じではない。加東が被告人の発言を「作る」までの理由はないのではないか。
「志村を殺す」という発言はインパクトがあるので鮮明に覚えていても不思議ではない。
被告人は加東証言のままの発言をしたわけではないかもしれないが、似たようなことを言ったのではないか、という意見もでました。
さらに、通行人の証言でも、被告人は志村の胸倉をつかんで組み合っていた、ということだし、そこに加東が(逆に野次馬ならばより)何も訊かずに割ってはいることもないのではないか。
すくなくとも「何をするんだ」という問いかけはして、それに対して被告人も何か答えたはず。そうでなければ普通は怖くて被告人の持っている包丁を引きはがすこともできないだろう、などという議論も出ました。
結局加東証言自体は、「殺してやる」と言ったかはともかく、被告人を止めた加東に対し被告人も何らかの発言をした(それは二番目の論点である心神耗弱=事理弁識能力を欠いているとまではいえない、というほうにもつながっていきます)というあたりのコンセンサスを得たところで昼休みに入りました。
午前中の評議は時間が少なかったこともあり、議論の仕方の予行演習という感じでした。
しかし、裁判員は全員かなり活発に発言し、しかも同じ証言を聞いていてもけっこう印象が異なるということに、改めて感心しました。
また、こういう風に一つ一つつめていったら、評議がまとまるまでにどれくらい時間がかかるのだろう、と少し不安にもなりました。
(つづく)
検察側は論告において証言の信憑性については特に言及しませんでしたが、弁護側は志村証言の信憑性について疑義を呈しました。まずは証言をもとにどのような事実があったのかから議論することに。
最初に検察側弁護側双方にあまり議論のなかった加東証言ですが、裁判員の間ではけっこう議論になりました。
原因は、被告人の「志村を殺す」云々の部分だけが妙に細かいところにあったようです。
最初志村に止めに入ってくれと言われたのに放っておいて、でも心配になって外に出たこと、30mくらいの距離なのに駆けつけるまでは現場のことを見ていないという一方で、被告人の発言だけは鮮明に覚えているといいます。
その辺から、加東は野次馬的にかかわっていたのではないか、事情聴取を受ける中で自分なりにストーリーを組み立てているのではないか、などという疑問が呈されました。
逆に、加東は被告人とも志村とも親しく、どちらかに偏っている(味方している)という感じではない。加東が被告人の発言を「作る」までの理由はないのではないか。
「志村を殺す」という発言はインパクトがあるので鮮明に覚えていても不思議ではない。
被告人は加東証言のままの発言をしたわけではないかもしれないが、似たようなことを言ったのではないか、という意見もでました。
さらに、通行人の証言でも、被告人は志村の胸倉をつかんで組み合っていた、ということだし、そこに加東が(逆に野次馬ならばより)何も訊かずに割ってはいることもないのではないか。
すくなくとも「何をするんだ」という問いかけはして、それに対して被告人も何か答えたはず。そうでなければ普通は怖くて被告人の持っている包丁を引きはがすこともできないだろう、などという議論も出ました。
結局加東証言自体は、「殺してやる」と言ったかはともかく、被告人を止めた加東に対し被告人も何らかの発言をした(それは二番目の論点である心神耗弱=事理弁識能力を欠いているとまではいえない、というほうにもつながっていきます)というあたりのコンセンサスを得たところで昼休みに入りました。
午前中の評議は時間が少なかったこともあり、議論の仕方の予行演習という感じでした。
しかし、裁判員は全員かなり活発に発言し、しかも同じ証言を聞いていてもけっこう印象が異なるということに、改めて感心しました。
また、こういう風に一つ一つつめていったら、評議がまとまるまでにどれくらい時間がかかるのだろう、と少し不安にもなりました。
(つづく)