一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

都電に関する本2冊

2007-06-04 | 乱読日記
今も残る都電荒川線の沿線で育ったもので、都電にはひときわ愛着があります(こちらの記事参照)。


今回は都電に関する本を2冊
ひとつは
『都電系統案内 ありし日の全41系統』
当時の全系統の路線図・停留所・解説とともに写真が載っています。

もう一冊が
『都電 懐かしの街角 昭和40年代とっておきの東京』
こちらは写真家天野洋一さんの撮った都電を中心とした風景の写真です。


都電が廃止され始める直前の昭和40年代初めの東京は、銀座や日本橋の建物や首都高速など今につながるものととっくになくなってしまった風景(特に周辺部にいくにつれて)が混在した妙に既視感のある光景です。

40年の歳月のうちに、日比谷の日活ホテル(写真の右端の建物です。屋上に看板があります。石原裕次郎が結婚式を挙げるなど当時は有名なホテルだったらしいですね)のように、一度事務所ビル(日比谷パークビル)になってから、再度ザ・ペニンシュラ東京として今年の9月に復活します(お堀際で皇居や日比谷公園が見渡せるのでホテルに適した立地なんでしょうね。)。
ホテルといえば、昭和38年には帝国ホテルはまだフランク・ロイド・ライト設計の建物が残っていたんですね(参照、都電が主役なので建物は陰になってますが)。


今も残る都電荒川線はもとは「王子電気鉄道」という明治44年に開業した私鉄だそうです。その後昭和17年に都電に合併されたものの、専用軌道がほとんどだったために最後まで生き残ることになったというのも歴史の皮肉かもしれません。



「懐かしの・・・」のほうにそれこそ懐かしい、昔の最寄の停留所の写真がありました。

これは昭和45年の写真



僕もここに写っている子供くらいでした。



そしてこれが今年僕が撮った写真



ホームと架線を支える鉄柱が昔と同じ(鉄柱は塗りなおしたようですが)なのが驚きです。















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沢木耕太郎『危機の宰相』

2007-06-03 | 乱読日記
もとは1977年の文芸春秋への記事で、今回初の単行本化だそうです。

「所得倍増政策」を掲げた池田勇人、立案・実施を支えたエコノミスト下村治、宏地会事務局長田村敏雄を描いたドキュメンタリーです。

病気・敗戦などにより大蔵省の出世コースからはずれた三人の人生が交錯し、池田内閣での「所得倍増政策」により、そのまえの岸内閣時の60年安保問題による政治的混乱から一気に経済的発展へと国民の目を向けさせるまでにいたった軌跡を描いています。

三人を"Good Loser"として共感を持って描くとともに、あの安保闘争がなぜ一瞬にして収束してしまったのかという少年時代の疑問を解き明かそうというあたり、いかにも沢木耕太郎風の対象へのアプローチの仕方が、すでに三人とも故人になっている約40年も前の話を生き生きと描いています。



改めて思ったのは、「敗者」といっても戦前の高級官僚はエリート層を形成していて、その中でのポジションというのは常に用意されていた(「面倒を見る」ともいいますが)んだな、ということ。

公務員(特に上級職)の数や政府系特殊法人の数がいつからどれだけ増えたのかは調べてないのでわかりませんが、おそらく1960年代くらいから仕事が増えたと同時に組織のピラミッドを維持するために戦前入省組の天下りポストを用意しなければならなくなって加速度的に増加したのではないかと思います。
多分それまでは、もともと人数が少なかったり戦死したり、公職追放にあったりしてそういうのが問題にならなかったのでは。

今の公務員制度改革とか年金改革は、平和と経済成長ののツケが回ってきた、ということなんでしょう。
となると「今の公務員」とか「今の年金(非)受給者」についての是非だけでなくもうちょっと長い視野の議論が必要なのかもしれません。







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雑草のように強く

2007-06-02 | 自分のこと


ブラックベリーの花です。


数年前に鉢植えを買ってきたら「つる性」の品種だったので、フェンス際に地植えしたものです。

新しい枝に翌年実がなります。
今年は豊作の予感ですが、毎年熟すまで待っていると、直前に鳥に食べられてしまいます。
何しろ向こうは年中見張っている上に早起きですから、なかなか勝ち目がありません。



さて今日は、水曜木曜と雨が降ったあとに好天が続いたので、芝生の雑草が一気に伸びてきました。特にメヒシバが大発生。
「出る杭は打たれる」ではないですが、あまり成長が早いとかえって目立ってしまい、攻撃の対象になる、というのは新規参入者に共通した問題のようです。

とはいいながら良くできたもので、簡単に抜こうとすると茎から上だけが切れてしまい、またしばらくすると生えてきます。
どうやら根が芝生の茎にからんでいたちするのもあるようです。

そこで根元をつまんでゆすり、根っこごと抜く、という作業が必要になります。
コツをつかむとけっこうはまってしまい、特に力加減のバランスがいいのか、左手のほうがうまく抜けます。

かれこれ1時間以上かけて、文字どおり「根絶」しました。
延び始めた芝生を刈ると、なかなかいい感じに仕上がっています。


つまみ続けた人差し指の指先が真っ黒になり、しびれが残るくらいの達成感に、家に入ってシャワーを浴びて祝杯のビールを飲んでいると、どうもふらふらします。
昼から飲む酒は回るワイ、と思っていたのですが、どうやら軽い熱中症のようです。
結局早めに床について養生することに。


雑草を侮ってはいけない、という教訓でした
(というより単なる不注意ですね・・・)
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「七光り八起き」?

2007-06-01 | 余計なひとこと

「ゲド」無料解説本110万部、全国書店で6日から配布
(2007年6月1日(金)22:12 読売新聞)

アニメーション映画「ゲド戦記」や原作小説の魅力を紹介する、文庫サイズのフリーペーパー「ゲドを読む。」が製作された。  
6日から、全国の書店などで計110万部が無料配布される。昨年大ヒットした(1)映画のDVDが7月4日に発売されるのに合わせた企画で、新しいキャンペーンとしても注目される。  
「ゲドを読む。」は208ページ。多摩美術大教授、中沢新一さんの解説(2)や元文化庁長官、河合隼雄さん(3)の「ゲド戦記論」など充実。コピーライターの糸井重里さんがプロデュース(2)し、映画を製作したスタジオジブリと小説を発行した岩波書店の編集協力で、DVDを発売するブエナビスタホームエンターテイメントが発行する。

いろいろ言いたくなる記事ですねw

(1) 大ヒットしたんでしたっけ?私は見ていないのですが、キャンペーンはすごかった割には評判はよろしくなかったような・・・今回もその轍を踏むのでしょうか。
逆に映画の興行収入で回収できなかった分をセルDVDで回収しようという魂胆なのかもしれません
(2) こういうメンバーをそろえようというのは、企画した人は僕と同年代なのかしら・・・
(3) 昨年、脳梗塞で倒れられてから病状・予後はどうなんでしょうか?いずれにしろ書き下ろしでなく原作小説についての評論なんでしょう


なんか客寄せになるものなら何でも、という企画側の意図が透けて見えていやですね(もともと映画の『ゲド戦記』も内容以前に宮崎JR.が監督をした、ということ自体が話題でしたね)。

プロモーションとしてはある意味王道なのかもしれませんが、人の道としてはちょいとはずれているような感じがします。


だから、「ゲド(外道)戦記」、というわけでもないでしょう・・・

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