一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ディパーテッド』

2007-12-16 | キネマ
『インファナル・アフェア』のハリウッドリメイクで話題になった作品です。

※以下ネタバレあり

これ、製作にマーチン・スコセッシのほかにブラッド・ピットも名を連ねています。
気に入った外国映画のリメイクの権利を大枚はたいて買い取って、お気に入りの俳優(レオナルド・ディカプリオ, マット・デイモン, ジャック・ニコルソン, マーティン・シーン,アレック・ボールドウィンなど)を贅沢に使ってリメイクした旦那芸漂う映画です。

舞台設定が違いこそすれ、細かい仕掛け(封筒とか録音テープとか精神分析医とか最後のどんでん返しとか)は原作を踏襲しています。
それだけ原作の完成度が高かった、ということでしょう。
十分楽しめる映画にはなっていると思います(TSUTAYAの半額セールで借りたので文句は申しません)。

でも、二人の主人公の緊迫感は原作の方が上です。


そして、一番最後に続編のリメイク権は買わなかったことが明らかになるこちらだけの結末が用意されています。このへんはアメリカ流の義理堅さなのでしょうか。

さらに、一番最後に窓枠の外をネズミがちょろっと走るのですが、ここはスコセッシおじさんはちょっとやりすぎたかと・・・







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今年の漢字

2007-12-15 | よしなしごと

今年の漢字は「偽」 清水寺貫主「悲憤に堪えない」
(2007年12月12日(水)19:33 朝日新聞)

そういえば相田みつをの詩に


人の為と書いていつわりと読むんだねぇ


というのがありました(多分)。

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評議 その1 (模擬裁判体験記16)

2007-12-14 | 裁判員制度
弁護側の最終弁論が思いのほか長かったので午前中の評議の時間は1時間弱くらいしか残されていませんでした。

検察側は論告において証言の信憑性については特に言及しませんでしたが、弁護側は志村証言の信憑性について疑義を呈しました。まずは証言をもとにどのような事実があったのかから議論することに。

最初に検察側弁護側双方にあまり議論のなかった加東証言ですが、裁判員の間ではけっこう議論になりました。

原因は、被告人の「志村を殺す」云々の部分だけが妙に細かいところにあったようです。
最初志村に止めに入ってくれと言われたのに放っておいて、でも心配になって外に出たこと、30mくらいの距離なのに駆けつけるまでは現場のことを見ていないという一方で、被告人の発言だけは鮮明に覚えているといいます。
その辺から、加東は野次馬的にかかわっていたのではないか、事情聴取を受ける中で自分なりにストーリーを組み立てているのではないか、などという疑問が呈されました。

逆に、加東は被告人とも志村とも親しく、どちらかに偏っている(味方している)という感じではない。加東が被告人の発言を「作る」までの理由はないのではないか。
「志村を殺す」という発言はインパクトがあるので鮮明に覚えていても不思議ではない。
被告人は加東証言のままの発言をしたわけではないかもしれないが、似たようなことを言ったのではないか、という意見もでました。

さらに、通行人の証言でも、被告人は志村の胸倉をつかんで組み合っていた、ということだし、そこに加東が(逆に野次馬ならばより)何も訊かずに割ってはいることもないのではないか。
すくなくとも「何をするんだ」という問いかけはして、それに対して被告人も何か答えたはず。そうでなければ普通は怖くて被告人の持っている包丁を引きはがすこともできないだろう、などという議論も出ました。

結局加東証言自体は、「殺してやる」と言ったかはともかく、被告人を止めた加東に対し被告人も何らかの発言をした(それは二番目の論点である心神耗弱=事理弁識能力を欠いているとまではいえない、というほうにもつながっていきます)というあたりのコンセンサスを得たところで昼休みに入りました。

午前中の評議は時間が少なかったこともあり、議論の仕方の予行演習という感じでした。
しかし、裁判員は全員かなり活発に発言し、しかも同じ証言を聞いていてもけっこう印象が異なるということに、改めて感心しました。

また、こういう風に一つ一つつめていったら、評議がまとまるまでにどれくらい時間がかかるのだろう、と少し不安にもなりました。


(つづく)
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論告求刑・最終弁論 (模擬裁判体験記15)

2007-12-13 | 裁判員制度
2日目はちょっと遅く9時45分集合。

裁判所のロビーには傍聴マニアと思しき人々が今日開催される期日の一覧表の前に人だかりをつくっていました。
なぜか20代後半(推定)の女性ばかりでしたが、サークルでもあるのでしょうか。

10時からの開廷の前に簡単な感想の交換。

裁判官からは、犯行当時については志村証言・加藤証言の信憑性が争点になるので論告・最終弁論ではそれを争うことになるだろう、という示唆がなされました。

また、犯行は過去の事実なので、事実の細部までわかることは刑事事件では少ないが、その中で判断していく必要がある。
証拠や証言をあわせても細かい部分に1,2穴があくので「この辺はこう判断していいだろう」ということを積み重ねて、最後に全体について判断していく、というプロセスを取ることになる、という話がありました。

確かにすべて細部までつまびらかにならないと有罪にならない、というのでは犯罪者を有罪にするのは不可能でしょうし、そこと「合理的な疑いの余地」の有無の間の判断が難しそうだな、と思いました。
本件は被告人が持っていた包丁で被害者を刺したこと自体は争いがない(殺意があったか、刺さったのかは争いがあるが)のでまだいいですが、事実自体に争いがある場合は大変だと思いました。


法廷に入ると、今回も傍聴席は満員です。志村証人、加藤証人役の人も傍聴席にいます。

今回もスクリーンが2つ立っています。

最初は検察官の論告求刑

例によって資料配布+スライド映写です。
検察官の主張は冒頭陳述とほぼ同じです。
そして
・殺意の有無は具体的な行動から判断するものであり、被告人は被害者を2度も刺し、ひとつは動脈にも達していることから、明らかに殺意があったといえる。
・被告人は普段から酒が強く、当日の酒量も多くない。また犯行後の呼気検査で検出されたアルコール量も心神耗弱状態といえるほどではない。
として殺人未遂の成立を主張します。

そして、求刑として、殺人罪の法定刑は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」(未遂罪は減軽することができる)であり、今回は未遂に終わったものの包丁を持ち出したこと、被害者は4.5Lもの輸血を必要とするなど生死の境をさまよい、結果加療3週間もの重傷を負ったことなどを勘案し、「懲役6年から9年の間」の刑を求めました。

幅を持った求刑ができるとははじめて知りました(昔からできたのでしょうか?)。
でも、幅の下限ってあまり意味がないようにも思うのですが、幅を示すことで裁判員の議論のレンジを絞り込もうという工夫なのかもしれません。


つぎに弁護側の最終弁論

こちらも例によって細かめのレジュメが配られます。
「要旨」のほかに「台本」といってもいいくらいの資料も配られます。

最終弁論の中で弁護側は被害者志村のTシャツにあいた刃物の跡と、傷口の位置のズレを指摘し、正面から一気に刺したのではない、たまたま刺さったんだ、という主張をしました。
この中で、スライドに①Tシャツへの刃物の跡(正面からの図)②傷口(正面からの図)③刃物の跡と傷口の関係(横から見た図)を映写しました。
ここで検察側が何か異議を言おうとしたのですが、裁判長によると、①②は証拠として提出されたものだが③は今回いきなり出てきた図表で、厳密に言えばルール違反なのだそうです。(アングルを変えずに単純に合成したものならいいのかとも思ったのですが、そのへん細かく確認はしませんでした)
映画で見るアメリカの裁判だと、相手方がすぐ異議を述べて、裁判官が「異議を認めます。陪審員は今の発言はなかったこととするように」などというシーンをよく見るのですが、今回模擬裁判だからそのへん大目に見た、ということなのか日本の裁判制度自体そこまでうるさくないのか、そのへんはよくわかりませんでした。

弁護側は傷害罪の成立は認め(あまり正確ではないですが、包丁を持ちだして対峙したという時点で傷害罪は成立するようです)るものの心神耗弱による減軽を主張し、さらに被告人は深く反省していること、被害者は高齢でもあり、ここで実刑を受けると出所後の生活の基盤がなくなることなどを主張し、執行猶予を求めます。

ただ、被告人が高齢だとか再就職の道が閉ざされる、というのが、「やむにやまれず犯行に及んだ」というような事件ではない本件のような事案にも量刑の情状の考慮要素になるというのは、個人的にはどうもピンときませんでした。

しかも最終弁論にたった一番年長の弁護士は「台本」以上に熱弁をふるい、繰り返し、言い換えなどを多用して長々と話します。
当初の時間割り当ては検察側弁護側各30分で、検察側は時間を残して簡潔にどおり終わったのですが、弁護側は時間をはるかに超過して50分近く話していました。
正直この点だけでも、反証の論拠の薄い部分を言葉でカバーしよう、という印象的を持ってしまい、逆効果だったと思います。


これであとは評議を残すのみとなりました。

(つづく)
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『日本売春史』

2007-12-12 | 乱読日記

猫猫先生こと小谷野敦さんの『日本売春史』

ブログは時折拝見するのですが、著作を読むのはは初めてです。
ブログ同様、舌鋒鋭く「学問的誠実さの欠如」に対し容赦ない批判を繰り出します。

中世の遊女は聖なるものであった、という諸説を批判し、江戸時代の遊里の「粋」を語る論者を切り、そして彼らが現代の売春について語らないことについて切って捨てています。(これについては『江戸幻想批判』という著作もあります。)
そしてまた、現代の売春について語ることが「自分たちが売春していない限り、何を言おうと偽善になるという無限ループ」に陥ってしまう、と、現代売春論の混乱も一刀両断しています。

作者は本書の末尾で  

現在わが国に存在する職業としての売春を黙殺して、過去を賛美するような行為は不誠実である。古代から現代に至るまでの、一貫した日本売春史を記述することによって、そうした論者たちを追い詰めることが、私の目論見だった。  

と書いています。

確かにさまざまな論者を追い詰めてはいます。
ただ、江戸期から現代に至るまでの概観をしながらもややもすれば他の学者の説を攻撃する部分の方が盛り上がってしまっていて、筋が追えなくなってしまうところもあります。

その意味ではエンターテインメントとしても楽しめる本でもあります。





おまけとして、本書にあった豆知識  

吉祥天は、もともとはヒンドゥー教の美と富の女神で、ヴィシュヌの妻ラクシュミーである。

で思い出すのがミタル・スチールのCEOラクシュミ・ミタル氏。
Wikipediaにも  

なお、ラクシュミは女神の名前であるが、ラクシュミー・ミッタルは男性である。

と注記されているくらい有名な女神のようです。
ご本人も「美」はともかく「富」は本家に負けていないようですね。

 

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疑わしきは

2007-12-11 | あきなひ

鹿島6億円裏金作り 大分キヤノン工場受注 国税局指摘
(2007年12月10日(月)16:03 朝日新聞)

大手精密機器メーカー「キヤノン」(本社・東京都大田区)の大分市内のプリンター関連機器工場建設をめぐり、工事を受注した大手ゼネコン「鹿島」(同港区)が下請け業者への外注費を装って裏金を工面していたとして、東京国税局に約6億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。うち約5億円の使途について鹿島は最終的な支払先を明かさなかったため、使途秘匿金として制裁課税を受けた。
(中略)
また、大分市の二つのデジタルカメラの工場の建設工事を、キヤノン会長で日本経団連会長の御手洗冨士夫氏の知人が経営する大分市内のコンサルタント会社が鹿島にあっせんし、手数料として鹿島から計約4億円が支払われていたことも分かった。  

またこの社長が経営する大分市の別の会社も、キヤノンの川崎市のプリンター関連研究施設など三つの大規模工事を鹿島にあっせんした謝礼として、鹿島から約9億円の手数料を受け取ったという。

天下の鹿島建設にしては「裏金」にもなってないじゃないかという別の観点からのつっこみもあるのですが、この手の噂はけっこうあります。
大きな取引になると必ず出てくるお抱えのブローカーとか、小さい話では某大企業の応接に行くと必ず地下のコーヒーショップから出前のコーヒーが出されるけどそれは大物会長の愛人が経営しているだとか、いろいろです。


ところで問題は、来年3月に施行される「犯罪による収益の移転防止に関する法律」で、疑わしい取引について特定業者に関して届出義務が課されたことです。
この法律第2条で「犯罪による収益」の定義として「組織的犯罪処罰法第二条第四項に規定する犯罪収益等又は・・・」とあり、同法の「犯罪収益等」の定義(法別表)の中には特別背任が含まれています(第4項)。

となると、上のような噂があった場合に、届出義務が発生するのでしょうか。

現在犯罪収益移転防止法の施行規則などがパブリック・コメントに付されていて(参照)届出対象となる取引についても金額基準があるようなので、いきなり営業に行って怪しい業者の出前でコーヒーを出さたからといって届ける必要はないようですが、大きな取引で出てくるブローカーが「いかにもこいつ裏金を出してやがんな」という奴だった場合には微妙な判断を迫られることになりそうです。


「コンプライアンス違反」という攻撃を恐れて、形式的に該当する取引は全部届け出る、なんて会社が出やしないかと思います。

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中間評議 (模擬裁判体験記14)

2007-12-10 | 裁判員制度
初日のプログラムがひととおり終わり、おつかれさまでした、というところで、裁判長から「ちょっとお時間をいただいて今までのおさらいをしたいと思います」とのひとこと。

明日はほぼ丸1日評議が行われるので、頭の整理をしておきましょう、と。

最初に評議に当たっての心構えとして「裁判官の合議では『乗り降り自由』という言葉があります。自分の意見もおかしいと思ったらいつ修正・変更してもいいし、他人の意見に対しても賛否が変わってもかまいません。何が正しいと思うかを中心に考えてください。」というお話をいただく。
確かに仕事でも「誰が正しい」モードになると為にする議論になってしまいがちなので、これは大事だと思います。

まずは大きな流れだけ整理しておきましょう、ということで、犯行前後の事実関係について皆で復習しながら、若い裁判官が被告人、志村、加東の3人の証言を3段に並べてホワイトボードに書いていきます。


志村が加東の部屋に来て「被告人に呼び出された、けんかになるかもしれないので止めに入ってくれ」といわれる。被告人は高架下で既に待っていた。(加東証言)

寮からでてきた志村が被告人に向かい「何の用だ」といい、被告人はむかついた。(被告人証言)

加東は2,3分後に心配になって寮を出た。(加東証言)

被告人と志村は1mくらいの距離に近づき、被告人は包丁を取り出しいきなり志村の左胸を刺した。志村は被告人の右腕を押さえ「加東さん来てくれ、助けてくれ」と叫ぶが、更に右胸を刺され、血が吹き出てきた。そのあとは力が抜けて覚えていない。自分の包丁をいつ抜いたかも覚えていない。(志村証言)
もみ合って大声を上げた記憶はあるが覚えていない(被告人証言)

加東が寮を出たところで叫び声がしたので駆けつける。「木村(=被告人)、何をするんだ」「志村を刺した、止めないでくれ、志村を殺す、俺はどうなってもかまわない」被告人は志村の胸倉をつかんで、志村は自分の胸を押さえていた。ただし、追加の加害行為をする様子はなかった。(加東証言)

加東は被告人の手から包丁を引き離した。包丁を持つ手には相当力が入っていた。(加東証言)
加東が来て手を押さえられた。(被告人証言、ここではじめて記憶が戻る)

志村を横にし、被告人から引き離した。被告人は逃走する様子はなかった。そのうちに警察が来た(加東証言)
※警察は通行人が呼んだ。


とまあ、こんなところですね。
加害行為に殺意があったかなどの争点や論点は、明日の論告求刑と最終弁論の後に十分時間をとってありますのでそこで議論しましょう。
お疲れ様でした。


ということで1日目は解散しました。


さすがに丸一日、慣れない話を集中して聞いていたので疲れました。
運動した後の筋肉痛同様、脳味噌の普段と違う部分を使った感じがします。

帰り道、『七人の侍』のDVDを借りようか(特に加東大介の役が気になって仕方がない)、とか、コンビニに寄って被告人が酩酊状態になったといわれる「缶入り水割り2本+缶チューハイ2本」を空腹状態で飲んでみようかなどという不埒な考えも頭をよぎったのですが、ちょっとそこまでの元気は残っていませんでした。

かわりに検察側弁護側両方から資料がいっぱい配られ、整理もできない状態だったので、とりあえず紙ファイルに順番に綴じたうえでインデックスをつけてみて(インデックスは評議室の事務用品になかったのですがあると便利だと思いました)、もう一度読み返してみました(少々お酒を飲みながら^^;)。
裁判員全員、家に帰ってからもいろいろ考えたそうで、特に元居酒屋経営の女性はなんと深夜2時までかけてそれぞれの証言についてメモに整理したそうです(本当にこの女性の姿勢には頭が下がりっぱなしでした)。

実際の裁判員制度では、資料を家に持ち帰ってはいけないのでしょうが、自分なりに資料を整理して頭も整理する時間がないと、翌日までの間、とてももやもやした気分になりそうです。


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暴暴茶

2007-12-10 | うろうろ歩き
地元の忘年会なのに地元でやらずに久しぶりに横浜中華街に行きました。

明るいうちから飲みだして早めに終わったので土産物屋を冷やかしたり
関帝廟にも寄ったりしました。



関帝廟の狛犬(「石獅」というらしい。)
表情に親近感を持ちます。


関帝廟はその名のとおり中国の三国時代の関羽を祀ったものです。
中国では関羽は義に篤い武将として民間信仰の対象になったようです。
公式HP?によると「また武将として理財にも精通していたため、商人は「財神」すなわち金儲けや商売繁昌の神として信仰しています。 武将にとっても商人にとっても一番大切なものは信義・信用という点から、商業神としての信仰も厚く奉られています。」
というあたりが、商売繁盛の神様と結び付けられたそうです。
兵站に長けていたということなのでしょうか。
常に優れた武将でありながら君主にならなかったところが、後世の支配者の書く歴史においても高い評価を保ち続けた所以かもしれません。

とはいえお参りの作法がわからず(拍手を打つわけにもいかなそう)、しかも係の人も教えてくれなかったのですが、正式な作法はこうするそうです。
今度機会があったらやってみましょう。


そのあとお茶屋に寄って暴飲暴食に効果があるという触れ込みの「暴暴茶」なるものを買いました。
プーアール茶+バラの花+甘草というブレンド。
あとでネットで調べたら、コンセプトとネーミングは同じながら、ブレンドの中味はお店によって異なるようです。

中国茶の作法どおり一煎してお湯になじませた後に(一煎めで甘草エキスが流れ出てしまうのではないかとも思うのですがあまり深く考えるのはやめましょう)飲むと普通のプーアール茶よりも爽快感があって飲みやすく、確かにちょっといい感じです。

これで忘年会対策のカードが一枚増えました。


もっとも暴飲暴食の後にわざわざちゃんとお茶を入れる冷静さが残っていれば大丈夫、ということなのかもしれませんが。


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シンシン

2007-12-09 | 余計なひとこと
国産ステルス実証機「心神」、2011年に初飛行
(2007年12月9日(日)09:31 読売新聞)

Wikipediaによると「日本の防衛省技術研究本部が先進技術実証機(ATD-X:Advanced Technological Demonstrator-X)と称する研究機で、次世代戦闘機に使用できる国内の先進技術を、実際に飛行させて実証・確認をするための機体」ということです。
昨年末から徐々に露出していたようです。今回予算申請したというあたりがニュースなのでしょうか。


ところで飛行機で「シンシン」といえば、逆噴射で日航機350便墜落事故を起こした○桐機長の「心身症」が思い出されます。
当時「逆噴射」とか「機長、やめてください」というのが流行語になりました。

結局機長は業務上過失致死罪で逮捕されたものの(最初はマスコミ報道では「心身症」といわれていたのですが)精神鑑定により統合失調症と診断され、心神喪失を理由に検察により不起訴処分となりました。
(なので一応伏字にしました)


ということで、やはり「心神」で正しいのか・・・?



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被告人質問 (模擬裁判体験記13)

2007-12-07 | 裁判員制度
ようやく1日目最後の予定の被告人質問までたどり着きました。

被告人が証言台に立ちます。
最初は弁護側からの質問。

例によって質問事項をそのまま書いた詳細な書面が配られます。
でもそれをそのまま質問せずに、飛ばしたり詳しく訊いたりするので、かえって混乱してしまった感もあります。

質問内容は被告人が事件を起こした廃品回収業者で働くようになった頃からの話、志村さんとの昔からのつきあい、疎遠になった事情(被告人はよくわからない)というあたりから入ります。

そして当日の行動をまずは飲酒量を中心に質問するところから入ります。

仕事から帰ってきてから食事をせずに缶入りのウイスキー水割り(250ml)を2,3本飲んだあとに、飲みたりないのでコンビニに寄ったところ(そこで缶チューハイ(350ml)を2本飲んだ)志村さんが自分と別の友人と楽しそうに酒を飲んでいたことに腹を立てた心境などを語ります。

そして
・コンビニから帰ると、志村の部屋に行った。詳細何を話したかは細かくは覚えていないが、一度話をつけようと思った。
・包丁を持ち出したのは脅かしてやろうと思ったため。
・寮から出てきた志村さんは被告人に「何の用だ?」とぶっきらぼうに訊いたので、被告人は腹を立てたものの、そのときちょうど殺意があったとは言えない。
・また、被告人は志村さんを刺して傷つけてしまったが、最初から「殺してやろう」という意図は全くなかった。
・刺した瞬間のことは記憶がない。おそらくかなり酔っていたせいだろう。
・志村さんには申し訳ないことをしたと思っている。
・今回実刑になると廃品回収会社をクビになってしまう
と話しました。

弁護側の主張「普段より酒に酔っていた。犯行自体は詳しくは覚えていないが、殺す意思はなかった」ということをきちんと主張していました。


次は検察官の質問。
これもレジュメが配られます。
こちらは例によって簡潔な項目に分けて。
裁判ではなくて仕事のスタイルとしては、私は検察官の方が好感を持てます。
また、前に触れた判例時報の座談会の下馬評に反し「書面主義から口頭主義・直接主義に」というスタイルの変化を検察官の方がきちんと踏襲しているのが印象的でした。

質問内容は

・酩酊度合いについて
仕事が終わったあと居酒屋で飲んだ(16時頃)あと、一度寮に帰って、加東さんに豆腐の差し入れをし、そのあとなじみのホームレスに空き缶をあげに行った、という被告人の行動を確認します。最初の飲酒と二度目の飲酒の間に時間が開いていたこと、間にきちんと正気の行動を取っていたことを立証し世としています。

・コンビニから戻った後包丁を持ち出した心境
コンビニで知らない人と楽しげに酒を飲んでいる志村さんを見て不愉快に思ったこと。外に呼び出すときになぜ包丁を持ち出したか。
少なくともそのときに脅そうというつもりはあったんでしょう?という質問に対し被告人は「はい」と答えました。

・現場でのやり取り
刺したことを「覚えていない」というが本当か、弁護側の主張のように「もみ合いになって刺さった」というのならもみ合ったことは覚えているのか、と、ここのところは執拗に尋問します。
被告人も最後に「もみ合いになったような記憶はある」と認めるに至ります。

・加藤さんとのやりとり
加東証言を補強するような尋問内容です。

・現場に到着した警察官とのやりとり
ここにくると被告人の記憶がなぜか戻ります。


最後に裁判官・裁判員の質問

肝心のところだけ記憶がない、というところに質問が集中します。
かけつけた加東さんに「志村を殺す」と言ったことについても(加東さんがかけつけてきて止めに入ったこと自体)覚えていない、と言います。

証言内容自体は不自然なのですが(まあ、模擬裁判なのである程度は仕方ない部分もありますが)被告人役の受け答えからは訥々とした人柄がしのばれ、そんなに悪い人ではないのではないか、という印象を受けてしまいます。


ちょっといじわるな素人質問をしてみました。

「貴方は『刺したのを覚えていない』と言いますが、同時に『反省している』とも言ってます。覚えていない何について反省しているんですか?」

被告人は困った顔をして口ごもってしまいました。
傍聴席の弁護士と思しき人がのけぞってウケているのが見えます。

あとで評議室で休み時間に裁判長から聞いたところでは、この「反省」というのはお約束事で、完全否認の事件でない限りは情状を少しでも有利にしようと、必ずするものだそうです。

主張が認められなかったときの「予備的な反省」というのは、お約束事にしても妙な感じがしますが、考えてみれば妙に突っ張って有罪にされたときに心象が悪いのも不利ですよね。

こういうところにも「大人の世界」が顔を出すわけですが、皆が言うならあまりプラスの効果はないような感じもするように思いました。


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弱い分野で論争するな

2007-12-06 | よしなしごと

ネットで検索したら載っていなかったのですが朝日新聞にカール・ローブ前次席大統領補佐官がフィナンシャル・タイムスに「ヒラリーの倒し方」というオバマ候補に宛てた公開書簡を寄稿したそうです。
ブッシュの選挙参謀だっただけあって、なかなか鋭いことを言っています。

1.鋭く攻撃せよ

反対意見を言うとき、君は彼女を恐れているように見えた。攻撃のチャンスを逃すな。

2.彼女への疑問を語れ

民主党員は彼女が共和党候補に勝てないのではと思っている。そこに焦点を当てろ。

3.弱い分野で論争するな

君は彼女が外交経験がないと攻撃していたが、君はもっとない。

4.自らの考えを鮮明にせよ

彼女の意見に反対するときは、君の考えを鮮明に示せ。イエスか、ノーかで答えろ。

5.自分が何者なのか語れ

君がどういう変化を象徴するのかを示せ。米国をどこへ導きたいのかを語れ。

6.紳士的にけなせ

彼女が弱者ぶった態度をとったら、にっこり笑って、ユーモアをもって警告せよ。

ヒラリー候補批判であると共に、オバマ候補批判にもなっているところが策士の策士たるゆえんなのでしょうが、アドバイスとしては学ぶべき部分もあると思います。
特に3などは自分でもけっこうやっちゃいがちなことではあります。


15歳の学力で日本続落 応用力、読解力とも OECD
(2007年12月5日(水)06:24 朝日新聞)
これもネットには載っていなかったようですが、つぎのような記事がありました。

来日中のアンヘル・グリアOECD事務総長は4日夕、都内で会見し(中略)さらに、「PISAはランキングを見ることでなく、教育の課題を把握し、どうよくするかが目的だ」と述べた。

最近人事考課制度もやたら複雑になってきていて、評価要素を細分化して「これはその人の強み・弱みを把握し、フィードバックする育成的な見地からの評価だ」とかなんとか言ってたりしますが、結局最終的な点数だけが取りざたされる、というのはどこでも同じ、ということですね。


おまけ
橋下弁護士が出馬否定 大阪府知事選でコメント
(2007年12月5日(水)19:07 共同通信)

大阪府は経済的に豊かな部分を政令指定都市である大阪市に取られてしまっているので財政的には苦しく、府知事のできることは限られている、というような話を以前書きました(参照)。
まだまだいろんな意味で「上を狙っている」であろう橋下弁護士としては、経済的にも(府知事になるとタレント活動のギャラも下がる)ポジション的にも不満なのかもしれません。
いえ、決して上昇志向自体をけなしているわけではなく(個人的には健全な上昇志向は持つべきだと思っています)、大阪府知事ってなんとなく「あがり」のポジション風なところがあるなぁ、と思ったもので。

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弁護側証拠調べ (模擬裁判体験記12)

2007-12-05 | 裁判員制度
休憩をはさんで弁護側(と検察側の残り)の証拠調べと本日最後の予定である被告人尋問に入ります。

その前に弁護側の証拠(「弁号証」といいます。)調べ。

1号証は被告人が被害者を刺した凶器の写真。
刃先から4cmに血痕があったことを示しています。
おそらく弁護人側は刃先から4cm「しか」刺さっていなかったと言いたいのだと思いますが、「刃先から4cm」の客観的評価がよくわからないので、とりあえず聞き置くと言う感じです。

2号証は同僚による被告人と被害者に関する証言。
「二人とも仲良かったしこんなことをする人には見えなかった」というお決まりの証言です。なんでこれが証拠になったのだろう?

3号証は現場を通りかかった会社員の証言。この人が救急車を呼びました。
会社員がとおりかかったとき、加東を含む3人がもみ合っていて、加東が被告人の包丁を持った手を押さえていた。
被告人は特に抵抗はしなかった。
志村が包丁を持っていたかどうかは気がつかなかった。
というのが証言の趣旨なのですが。ここで引っかかったのが、加東さんが上半身裸でパンツ姿だったということ。

先の証言のように心配になって寮を出た(しかも事件が起こったことを知ったのは寮を出たところだった)にしてはえらい慌てようのように思います。

個人的にはこの「パンツ一丁の加東さん」というのがどうも怪しい感じがしてしまいました。

しかも登場人物は『七人の侍』の役者から取った名前であることがここにきて効いてきます。



七人の侍の中で加東大介は左から四番目です。

拡大するとこんな人です



この、丸顔のずんぐりむっくりした男が、パンツ一丁で駆けつけたところから、『七人の侍』でふんどし一丁の上に簡単な具足をつけて、やっつけた野盗の前ではしゃぐシーンを連想してしまいました。
今思い返せば、そういうお調子者は三船敏郎演じる菊千代のキャラだったように思うのですが、「加東大介がパンツ一丁ではしゃいでいる」というのが妙に頭の中に刷り込まれてしまいました。
初日の帰り道、ずっと「はしゃいでいる加東大介」のイメージが頭から離れませんでした。

評議が翌日でよかったです(^^;


4号証は被害者を診察した医師の証言。
左胸は致命傷にはならないが、右胸を刺したときに動脈を損傷していたのでこちらは致命傷になりえた。
しかし被害者は順調に回復していて後遺症の可能性は無い。
(これも何で弁護側の証拠なのかよくわかりませんでした)

5号証は清掃作業会社の経営者の話。
被告人はまじめに働いていたが、実刑になったら解雇せざるを得ない、と言う話。
(これは泣き落としか?)

6号証は志村さんが持っていた包丁


つぎに(個人的には混乱したのですが)検察側の「乙号証」取調べ

被告人の供述調書や前科の紹介記録など。


実は正直いってこの前の休憩あたりでちょっと集中力が途切れてきました。
ペース配分をわからずに集中してきた反動でしょう。
しかも、被告人、被害者ともに酒に寄ったあげくに包丁を持ち出すし、最初に相談を受けた加東さんも酒を飲んでいて、ケンカをたしなめもせずに後から駆けつけてはしゃいでいるように思います。

要するに酒癖の悪い酔っ払い同士の諍いなわけです。

それに対して難関の司法試験を突破した優秀な裁判官、検察官、弁護士たちが真剣に役割を果たそうとし、裁判員もお勤めとはいいながら真剣に話をきかされます。


果たしてこの酔っ払いのケンカにそれほどのコストをかける意味があるのだろうか、という疑問がふと頭をよぎります。


前回の休憩のときにぽつりとそれの感想をもらしました。
「酔っ払い同士のケンカを裁くのにコストがかかりすぎるのでは?」

それに対して、元居酒屋経営のおばあさんは間髪をいれず言いました。
「こういうしちゃいけないことをした人は大小かかわらずきっちり裁かないといけないのよ。」


なにかにつけ費用対効果で考えがちな自分に対して、おばあさんの真っ当な正義感には頭が下がりました。


裁判員制度を導入する意味があるとしたら、僕のような小理屈の人間でなく、こういう人の感覚を反映させることなのかな、と深く反省しました。

ひょっとすると裁判員制度は「一般市民が人を正しく裁けるのか」という是非の問題以上に「人を裁く/人が裁かれることの意味を考える機会を国民に広く提供する」ということに意味があるのかもしれないな、とこのとき思いました。


(続く)


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流行語大賞

2007-12-05 | よしなしごと
流行語大賞を見てネタにしようと思ってスベッた話


小島よしおの「そんなの関係ねぇ」の30年前に児玉誉士夫は「記憶にございません」というのを流行語にさせていた件。



と思っていたら実は児玉誉士夫は入院中で臨床尋問を受けていて証人喚問には出席せず、国会の証人喚問で「記憶にございません」を乱発したのは小佐野賢治でした・・・

私の記憶の方が問題でした・・・



PS
「ハニカミ王子」同様昨日取り上げた技能五輪で「ハニカム王子」なんて出ないかな、とはかない希望を持ったりもしました。



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自分の納得する仕事をする、ということ

2007-12-04 | よしなしごと
NHKスペシャル 若き技能エリートたちの戦い~巧みを競うオリンピック~は面白かったです。

技能五輪に向けて選手を育成する韓国と、生産現場の海外移転が続く中、製造現場の技能をしょうけいしようという日本の会社の若手技術者に焦点を当てた番組です。

メインに取り上げられたのが金型の某君(DENSO)と精密機械製造の畑弾手(「ダンテ」君。親も思い切った名前をつけたものです。)君(SEIKO EPSON)。

金型君はライバルの韓国の選手(韓国は国を挙げて取り組んでいて、優秀な高校に助成金を出し、優秀な選手には三星などのメーカーが職場を提供しています)が圧倒的なスピードで作業を進める中、設計に時間をかけたうえで1つのドリルで3つの部品を加工するという大技を繰り出したり、終了直前まで仕上げの研磨をするなど、丹念な仕事で金メダルを取ります(韓国の選手はスピードが災いして途中の加工精度のトラブルで5位)。

金型君自身も優秀な技術者として現場に出ずにエリート教育を受けてきたので、インタビューで、「半人前で金メダルを取っちゃったようなもんで、早く現場に出て一人前になりたい」と言ってました。


もっと泣かせたのが弾手君。
彼も、SEIKO EPSONの技術者継承プログラムの中で指導を受けていた優秀な技術者ですが、指導に当たったEPSONの名工(定年後も後進の指導に当たっている)の「課題は提示するが答えを提示せずに自分で考えさせる(なぜなら製造現場は常にそういう試行錯誤の繰り返しの中で自分で工夫しなければいけないから)」の指導方針の下に訓練を積んだ成果を遺憾なく発揮します。

「精密機械」の部門は、小さい工作機械の加工・組み立て・プログラム作成を一人でするのです。
加工への独自の工夫(上記名工も舌を巻いた)だけでなく、課題として出された機械操作のアルゴリズム(自動加工とマニュアル加工の両方をできるようにという課題)を反映したプログラミングの能力も求められます。
ところが弾手君は課題のアルゴリズム自体がおかしいと気づきます。
課題どおりにすると「オート」から「マニュアル」に切り替えたときにプログラムが動かなくなってしまう。
しかしこれを審査員に言うものの「切り替えはともかくオートはオート、マニュアルはマニュアルで動けばいいんだ」と言われてしまいます。

しかし弾手君、「自分の作る機械は自分が納得できる物でなければならない」と課題にないオートとマニュアルの切り替えにも耐えられるような回路を組んで提出します。

結果は満点での金メダルでした。


ホント、こういう職人気質の若者を見ると涙が出ます。


ホワイトカラーでも「自分の納得した仕事をする」という矜持を貫く機会はあると思うのですが、なかなか最近そういう意地を張る若者(年寄は言わずもがな)は見かけません。

何をやっても命や自己資産までは取られないことが数少ない取り得だという理由でサラリーマンをやっている身としては、自分なりのこだわりよりも正解を得ることに熱心になってしまう風潮はちょいと残念です(って実はそんなの昔からか?)。


好き勝手を言うことが得になるとまではいいませんが、自分の納得する仕事をすることが大事なんだということを身をもって立証する(そしてそういう機会を与える)ことが僕のようなオジサンたちの今後の課題なんだろう、と身につまされて考えさせられた番組でもありました。


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証人尋問2/2 (模擬裁判体験記11)

2007-12-03 | 裁判員制度

引き続き同じ寮に住見込んでいて、事件当日現場に駆けつけた加東大介氏の証人尋問です。

これも検察側から供述調書が朗読され、そのあとあと尋がされますが、あわせてそれぞれの項目の見出しのようなレジュメが配られます。

まずは供述調書

・被告人は仕事はよくするしときどき豆腐などを差し入れてもらっているが酒を飲むと陰気になる性格。一方で被害者の志村さんは大雑把な性格だと思う。
・当日夕方も被告人が豆腐を差し入れてくれ、そのあと空き缶を集めているホームレスにあげるんだ、と出かけていった。そのときは素面に見えた。
・夜になり志村さんは上機嫌で帰ってきた。木村が帰ってくるとまもなく志村の部屋に行ったようで「外に出ろ」「テレビを見ている」「今でなければだめだ」などという声が聞こえた。
(その後現場の目撃については弁護側不同意のため朗読せず)
・かけつけると志村さんが出血していた。志村さんの手にはタオルを巻いた包丁が握られていた。被告人は道路の真ん中をうろうろしていた。

そして、不同意の部分を中心に証人尋問

・志村さんが加東さんの部屋に来て「木村(=被告人)に呼び出された。怒っているみたいだ。けんかになるかもしれないので止めに入ってくれ」といやそうだった。
・部屋の窓から外を見ると、高架下に被告人が立っていた。志村さんは「何かあったら頼む」といって部屋を出て行った。
・2,3分部屋で横になっていたが、心配になって寮の外に出た。そこですぐに「木村、何をするんだ、加東さん助けてくれ」という志村さんの叫び声が聞こえたので走っていった。
・現場(寮を出てから約30m)に着くと、被告人が志村さんの胸倉をつかみ、包丁を向けていた。志村さんのTシャツは真っ赤で、腹を押さえていた。

ここの部分は、やはり検察官の若い人を相手に位置関係や姿勢などを実演して再現します。
でも、正直いってあまりリアリティはなかったです。

・被告人に「何をしたんだ」と言うと「木村を刺した」と言ったので「包丁をよこせ」というと「加東さん、止めないでくれ、志村を殺す。俺はどうなってもかまわない」と言った。


ここでまた、裁判官・裁判員からの質問。
僕だけでなく他の裁判員も同じような疑問を持っていたらしく、今回はたくさん出ました。

・ケンカになりそうと思ったのに何で2,3分部屋にいたのか。またどうして外に出てみようと思ったのか。

ふと心配になったから。

・志村さんが部屋に来たときに被告人の場所を窓から見ていたのに、寮を出るときは窓から居場所を確かめずにいきなり寮の外へ出たのか。

そのとおり。

・寮を出たところでいきなり叫び声を聞いたと言うが、そのとき現場の方向では何が起きていたか。

現場の方は見なかった。駆けつける途中でも現場の方は見ていない。

・つかみ合っていたときに被告人の右手の包丁は見えたのに、同じ側にあったはずの志村さんの持っていた包丁には気がつかなかったのか。

そうだ。


実は後で聞いたところでは加東証言については弁護側も検察側も「木村を殺す」という発言以外は争点がないと思っていたらしく、そのため加東証人役も事前の準備をそれほど念入りにしていなかったそうです。
そこに予想外にいろいろ突っ込まれたので、なにしろ実際には経験してないことでもあり、証言に説得力がなくなってしまった感じがあります。

逆に裁判員の間では加東証言の信憑性を疑問視する意見も出ることになります。


つぎに弁護側の反対尋問
これもレジュメが配られます。これは質問内容が詳しく書いてあります。
全般的に弁護側の資料のほうが長めです。


・現場に駆けつけるまでの間に被告人が志村さんを包丁で刺したのを実際に見ましたか。

いいえ。

・現場に駆けつけてから被告人から包丁を取るまでの間に、被告人は志村さんを刺そうとしましたか。

いいえ。

・被告人は包丁を取られるときに抵抗しましたか。

いいえ。

・志村さんが以前傷害事件を起こしたことを知っていますか。

いいえ

ここについては、検察側から異議が出ました。裁判長から質問の趣旨を聞かれて弁護側は「証言の信憑性を」と(私には)よくわからない理由(なぜ加東証言の信憑性に影響があるのでしょう?)を言い、裁判長はこの質問1回だけ、と釘を刺されました。

・志村さんの包丁を見て、「おまえもこれで刺すつもりだったのか」と聞いたとき、無言で否定はしませんでしたね。

はい。


弁護側の反対尋問はちょっとストーリーを作りすぎ、という感じがしました。特に事前に手元資料を読むとその印象が強くなります。

そうはいいながら、どうも加東証言には不自然な印象を持ちました。


(つづく)

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