毎年8月24-25日は 土佐神社 の大祭があります。
高知では土佐神社と呼ばず しなね様 という名称で
県民に親しまれてきました。
24日は宵しなね 翌25日が大祭で 私たちの小さいころは
娯楽が少なかったため この宵しなねへ親に連れられ行くこと
が夏休みの大きな楽しみでありました。
多くの参拝者でにぎわう宵しなねは 当時は臨時バスが出たり
しておりました。
子どものお目当ては もちろん夜店です。
参道の両側には屋台の店がずらりと並び アセチレンガスの
匂いをかぐと ワクワクと胸が高鳴ったものです。
「 お参りが先! 」 親の声を背中に 神様の前であわただしく
パンパンと柏手を打ち ポケットの数十円を大切に 夜店へ走った
ものでした。
今では滅多に見られないと思いますが 当時の露天商のアンちゃん
はねじり鉢巻き 楊柳クレープのようなシャツ そのシャツからのぞく
腕の入れ墨など 子どもの目にはまぶしく
ヒャ~ なんとカッコいいお兄さん! と映ったものです。
けっこう毛だらけ 猫灰だらけ‥‥とタンカを切っていたかは
覚えておりませんが あの時代には確かに 寅さんがいた
ものと思われます。
この待ちに待った宵しなねが終わると 9月1日に始まる2学期
に向け まず夏休みの宿題に追われました。
「 去年もそうじゃったね! 」 当時30代の母に怒られながら
あわてて絵を仕上げたり 何日もためこんだ日記を書いたものです。
そのため当時の日記には してもいないお手伝いをしたことや
1度しか行かなかった海水浴が 3度行ったことになったりと
うそ八百を書いたものです。
しなね様の大祭が終わると 山からの風向きが変わり めっきり
朝夕が涼しくなり 土佐路は本格的な秋をむかえることになります。