夫の姉から ずしりと 持ち重りする小包が届きました。
きびなごの一日干し(ひいとい干し) 芋もち ひがしやまが入っています。
海辺の村で育った夫は 朝めしには干物 と勝手に決めており 希望通りに
してきましたが 塩分控えよと言われる歳になり 今はとんと間隔が空くように
なりました。
かつて 県西部幡多地区の農家は 家で収穫したさつま芋を えびらに干し
ひがしやまを作りました 農家が必ず持っていたえびらは 今は1枚が1万円
近くしますが 改めて見てみると 丁寧な手作業で 立派な芸術品です。
ひがしやまが飴色になったら もち米と一緒に蒸し 黒砂糖を入れて臼でつく
芋もちを どの農家も 正月前は作ったと夫は言います。
蒸し芋をそのまま臼でつくことはなく ひがしやまにすると より甘みが増したから
でしょうかね 当時の農家はサトウキビも耕作しており 村に一軒あったバラックの
黒砂糖製糖工場は 大忙しだったそうです。
そんな古き良き時代も 今は昔となり 農家には臼もなくなって 昔の芋もちを
食べたいが 手に入るルートはないものかと 農協に問い合わせがあるそうです。
農協が注文を取って芋もちをつき 注文した家は遠方に住む娘息子へ 故郷の味
として ひがしやまと共に送るわけで 数年前始めた この試みは当たりました。
リヤカーに甘藷を満載し 親父が引っ張りオレがあとを押して 製糖工場へ運んだ
あの時のオレは 小学3-4年じゃったかな と夫です。
今は亡き両親も その頃はきっと若々しく 夫の故郷の味は 思い出と共にあります。