まだドイツが東西に分裂していた頃のベルリンを舞台に天使たちが人間界に寄り添うストーリーが今回紹介するベルリン・天使の詩。非常に静謐であり、映像もスタイリッシュで荘厳さを感じさせる。そして、大方のイメージを覆すのが天使がオッサンであること。服装も冬用のコートを着ていて見た目は本当に姿は人間とまるで変わらない。しかしながら、天使は人間が何を考えているかを読み取ることができる能力がある。そして、天使の姿は子供からは見えるのだが、大人には天使が見えないという設定。そんな天使たちが悩める大人達に寄り添う姿が印象的。しかしながら、そんな天使でも人間の苦悩を救えないのがもどかしいところ。
ある程度本作に登場する天使のキャラを説明したところでストーリーの紹介を。
天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)は永遠の命を持ち、太古の時代からベルリンを見てきており、人間が誕生してからのベルリンをずっと見てきており、人間が喜ぶ姿も悲しんでいる姿も傍観している。人間の生活に興味が惹かれたダミエルは親友の天使であるカシエル(オットー・サンダー)に、俺も人間になりたいんだよな~と相談するのだが、カシエルはあんなロクでもない世界に憧れるのは止めておけと注意する。しかし、ダミエルはサーカスの空中ブランコ乗りの女性マリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)に一目惚れ。
そしてベルリンに撮影にきていたあの刑事コロンボ役で活躍していたピーター・フォーク(実物)から、ダミエルは自分の姿が見えないはずなのに、こっちの世界へ来いよと後押しを受けて、人間の世界に降りる決心をするのだが・・・
冒頭から「子供が子供であった頃・・・」みたいな朗読が流れてくるが途中でも流れてくるのでその問いかけを深読みしようとしたが、理解できなかったし、それ以外にも難解に感じさせるシーンが多かった。天使たちが自由奔放にベルリンを自由自在に動きまくって人間の心の声を聞ける特殊能力を持っていて、しかも相手側は自分の姿が見えないって俺には天使というよりも透明人間を思い出させた。天使ダミエルなんか自分の姿を見えないことを良いことにストーカーしまくる。マリオンが服を着替える途中で裸になるところでモノクロからカラーへの鮮やかな変換。何とも嬉しいシーンではあったのだが、監督のスケベな心も見えてしまった。
俺なんかは人間よりも天使の方が永遠の命を与えられて、女の子を追いかけることが出来て良いじゃん、なんて思ったが、ダミエルが天使を辞めて人間として生きることに喜びが一杯。人間の世界には天使の世界ではわからなかったことがたくさんあったのだ。例えばカラーの色別、コーヒーの味、そして人間同士の触れ合い等今まで天使のままでは理解できなかったことが出来て大いに楽しんでいた。本作は実は大いなる人間賛歌を謳っていた内容だったのだ。今まで自分は人間として得をしたことなんか何にもないと思っていたが、いやいや人間は素晴らしい。
他にも大きな図書館が天使たちのたまり場になっているのにびっくりしたし、ベルリンが舞台だから決して避けられない戦争の傷跡も描かれており、ちょっとだけ笑わせるシーンがあったり、色々なテーマを内包している。なんだか自らドイツの語り部となるべくウダウダ言っている爺さんの存在が気になったり、「子供が子供であった頃・・・」が連発される意味がよく分からないなど、不可解な部分もあるが、なんだか映画に芸術とファンタジーを融合した名作として今回はベルリン天使の詩をお勧めに挙げておこう
監督は今や尊敬を集めるヴィム・ベンダース。本作はハリウッドのシステムが合わずに故郷の西ドイツに帰って一作目の作品。他ではパリ、テキサス、アメリカ、家族のいる風景が好きです。
ある程度本作に登場する天使のキャラを説明したところでストーリーの紹介を。
天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)は永遠の命を持ち、太古の時代からベルリンを見てきており、人間が誕生してからのベルリンをずっと見てきており、人間が喜ぶ姿も悲しんでいる姿も傍観している。人間の生活に興味が惹かれたダミエルは親友の天使であるカシエル(オットー・サンダー)に、俺も人間になりたいんだよな~と相談するのだが、カシエルはあんなロクでもない世界に憧れるのは止めておけと注意する。しかし、ダミエルはサーカスの空中ブランコ乗りの女性マリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)に一目惚れ。
そしてベルリンに撮影にきていたあの刑事コロンボ役で活躍していたピーター・フォーク(実物)から、ダミエルは自分の姿が見えないはずなのに、こっちの世界へ来いよと後押しを受けて、人間の世界に降りる決心をするのだが・・・
冒頭から「子供が子供であった頃・・・」みたいな朗読が流れてくるが途中でも流れてくるのでその問いかけを深読みしようとしたが、理解できなかったし、それ以外にも難解に感じさせるシーンが多かった。天使たちが自由奔放にベルリンを自由自在に動きまくって人間の心の声を聞ける特殊能力を持っていて、しかも相手側は自分の姿が見えないって俺には天使というよりも透明人間を思い出させた。天使ダミエルなんか自分の姿を見えないことを良いことにストーカーしまくる。マリオンが服を着替える途中で裸になるところでモノクロからカラーへの鮮やかな変換。何とも嬉しいシーンではあったのだが、監督のスケベな心も見えてしまった。
俺なんかは人間よりも天使の方が永遠の命を与えられて、女の子を追いかけることが出来て良いじゃん、なんて思ったが、ダミエルが天使を辞めて人間として生きることに喜びが一杯。人間の世界には天使の世界ではわからなかったことがたくさんあったのだ。例えばカラーの色別、コーヒーの味、そして人間同士の触れ合い等今まで天使のままでは理解できなかったことが出来て大いに楽しんでいた。本作は実は大いなる人間賛歌を謳っていた内容だったのだ。今まで自分は人間として得をしたことなんか何にもないと思っていたが、いやいや人間は素晴らしい。
他にも大きな図書館が天使たちのたまり場になっているのにびっくりしたし、ベルリンが舞台だから決して避けられない戦争の傷跡も描かれており、ちょっとだけ笑わせるシーンがあったり、色々なテーマを内包している。なんだか自らドイツの語り部となるべくウダウダ言っている爺さんの存在が気になったり、「子供が子供であった頃・・・」が連発される意味がよく分からないなど、不可解な部分もあるが、なんだか映画に芸術とファンタジーを融合した名作として今回はベルリン天使の詩をお勧めに挙げておこう
監督は今や尊敬を集めるヴィム・ベンダース。本作はハリウッドのシステムが合わずに故郷の西ドイツに帰って一作目の作品。他ではパリ、テキサス、アメリカ、家族のいる風景が好きです。
ヴィム・ヴェンダース監督が、愚かな歴史の影を落とす街ベルリンを舞台に、死を覚悟し、地上に降り行く天使の眼差しを通して、魂のありかを模索したファンタジー映画「ベルリン・天使の詩」。
都市と天使をめぐる考察は、詩の極みにまで到達している。
この映画の2年後に、ベルリンの壁は崩壊している。
ブルーノ・ガンツが演じる、色も痛みも愛の喜びも感じられぬ、天の上から地上へ降り立った天使。
その子供のように純真で、包み込むような愛をたたえた、優しい瞳が印象的な彼は、黙っていても、確かな存在感を感じさせる稀有な俳優だ。