褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 プレイス・イン・ザ・ハート(1984) 自立していく女性を描く

2024年11月22日 | 映画(は行)
 ひたすら身に降りかかる不幸に嘆くだけで、まるで行動できない人がいる。しかし、切羽詰まった時に根性を発揮できるのも人間の素晴らしさであることを教えてくれるのが今回紹介する映画プレイス・イン・ザ・ハート。本作の主人公は冒頭からとんでもない出来事に襲われ、その後も次々とトラブルに見舞われるが、根性と運そして逞しさで乗り切ろうとする。
 俺なんかよく自分の境遇に嫌気がさして自暴自棄になりそうになるが、本作を観ると不思議と、まあ生きていりゃ何とかなるんじゃねえ~、なんて思わさせられる。よく考えたら俺も運の良さで人生のピンチを乗り越えてきたことがあったっけ

 さて、どことなく頼りなさそうな女性が自立していくストーリーの紹介を。
 1930年代の大恐慌の時期であり、アメリカの南部であるテキサス州の小さな町において。エドナ(サリー・フィールド)は保安官の夫ロイス(レイ・ベイカー)と子供二人と暮らしている。食事中に夫のロイスが部下から呼び出され、現場にかけつける。そこで酔っぱらった黒人のワイリーが銃を乱射していた。ロイスは止めようとしてワイリーに近づくが、あろうことかワイリーが振り回していた銃はロイスに命中。そのままロイスは死んでしまう。
 悲しみに浸るエドナを更にどん底に突き落とすことを知らされる。エドナはお金のことを全てロイスに任せていたために家計の事情をわかっていなかったのだが、ロイスが家の購入資金を銀行から借金をしていたことを知らされ、自宅を売ることを提案されてしまう。すっかり専業主婦にどっぷり浸かっていたエドナは、大不況の時期もあり、何の仕事をこれからしていけば良いかわからずに途方に暮れかけていたのだが・・・

 衝撃的なシーンから始まり、この後も悲劇が次々と起きる。しかも、エドナという女性だが、まるでお金の計算ができない経済音痴。そのことを突かれて危うく騙されそうになったりする。まだ幼い子供二人を抱えてどうやって生活していくんだと思えたが、人間生きていれば何とかなるという展開が続く。このエドナという女性の凄さは大した知識が無くても、土壇場で力を発揮するところ。このあたりのヒューマニズムの描き方は感動的であり見習うべき点が多々ある。
 そして、テキサス州が舞台であることから人種差別の問題もテーマに盛り込んでいる。正直なところタイトルのプレイス・イン・ザ・ハート(直訳すると、心の場所)に込められた意味の深さが個人的にはわからなかったのだが、どうやら人種差別や過酷な自然環境の場所であっても去りがたい場所であることにヒントがあるようだ。そして本作のエンディングシーンが非常に印象的。もしかしたらこのエンディングの描き方に否定的な人が居るかもしれないが、個人的には良いも悪いも忘れがたい思い出が集約しているようで大いに感心させられた。
 力強く生きていく女性が描かれている内容が好きな人、ヒューマニズムと社会派が融合されている映画が好きな人、生きる気力が湧いてくるような映画を観たい人等に今回は映画プレイス・イン・ザ・ハートをお勧めに挙げておこう

 監督はロバート・ベントン。ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープ主演のクレイマー、クレイマーがお勧め。







 

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