ふみこ月世界を見せてあげるよ、リョウが出入り口の方に向かうと扉が開いた。どこに行くんじゃ?リョウはふふふと笑う。月世界はね、地球からは観えないように月面を細工しているんだ。ほらっ、カニやロバ・ヒキガエルからライオンまで色んな生き物に似させているんだよ。ワニにも見えるかもしれないね。
モニター室で管理しているのさ、その時の状況で操作するんだ。ふ~ん、あたしにはうさぎに見えるんじゃけど。リョウの後をふみこは歩きながら、月世界の奇妙さにすっかり考え込んでしまった。ここにはあたし、来ちゃいけなかったんじゃ。心細さがふみこの胸におしよせる。おばあちゃんのとこに帰えろう。
あれっ?何だか下に行っている気がする…ふみこは歩くのを止めた。リョウが振り向き、地下に向っているんだよこわくないからおいで。行かない、ふみこは身体と心のバランスが振り切れそうになるのを感じた。リョウさん、そこは入室禁止じゃない?行けない。ふみこって変なんだね、なぜそれだけが分るの。
説明はできないし、なぜかはわからないけど分る。ああ・数字が飛び交う、時間の流れが狂ってしまうじゃないの。あれを停めなくちゃ!ふみこは心の静止が弾けて交差するのを知った。部屋には何もなく、からくり時計だけがリノリューム床の台座に乗っていた。ふみこはそれを掴もうとしたがリョウの手に。
ふみこの記憶が戻って来る。あたしは、どこから来たのかしら?誰かを捜していたようでもあるし、何かとても大切な任務があるんだ。何だったのかが思い出せない、リョウさんそれを渡してちょうだい。駄目だよふみこ、やはり此処に連れて来るべきではなかったよ。と・ふみこの持つ砂時計が共振し始めた。
モニター室で管理しているのさ、その時の状況で操作するんだ。ふ~ん、あたしにはうさぎに見えるんじゃけど。リョウの後をふみこは歩きながら、月世界の奇妙さにすっかり考え込んでしまった。ここにはあたし、来ちゃいけなかったんじゃ。心細さがふみこの胸におしよせる。おばあちゃんのとこに帰えろう。
あれっ?何だか下に行っている気がする…ふみこは歩くのを止めた。リョウが振り向き、地下に向っているんだよこわくないからおいで。行かない、ふみこは身体と心のバランスが振り切れそうになるのを感じた。リョウさん、そこは入室禁止じゃない?行けない。ふみこって変なんだね、なぜそれだけが分るの。
説明はできないし、なぜかはわからないけど分る。ああ・数字が飛び交う、時間の流れが狂ってしまうじゃないの。あれを停めなくちゃ!ふみこは心の静止が弾けて交差するのを知った。部屋には何もなく、からくり時計だけがリノリューム床の台座に乗っていた。ふみこはそれを掴もうとしたがリョウの手に。
ふみこの記憶が戻って来る。あたしは、どこから来たのかしら?誰かを捜していたようでもあるし、何かとても大切な任務があるんだ。何だったのかが思い出せない、リョウさんそれを渡してちょうだい。駄目だよふみこ、やはり此処に連れて来るべきではなかったよ。と・ふみこの持つ砂時計が共振し始めた。