フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

丸くてつやつやの赤い実 ツルコケモモ

2014-10-06 | アダージョの森

ツルコケモモは、めっぽう寒さに強い反面、乾燥は苦手と言われている。ところが、乾燥地、清里の森の中でそれほど日当たりがいいともいえないところでも、枯れずに育ってくれている。初夏に反り返るようなかわいい花を咲かせ、秋になると、つやつやした丸い赤い実をつける。

鶴の好物であるので、鶴 (crane) のベリー (berry) 、とのことからクランベリーともいわれる。

Kitahoさんから鉢植えのツルコケモモをいただいた。ツルコケモモは、乾燥に弱いというより、湿地の中で育っていることから、水を張った漬物用樽の中に鉢を沈めて育てている。

酸味が強く、そのままでは食べられないが、ジャムにすると美味しい。ところが、まだ苗が小さく、実の数が少ないので、ジャムにせず にもっぱらかわいい実を鑑賞しているところだ。ジャムができるぐらいの実が収穫できるまでに育ってほしいものだ。

ツツジ科スノキ属ツルコケモモ亜属 (Oxycoccos) に属する常緑低木の総称


可愛い赤い実をぶら下げる オトコヨウゾメ

2014-10-05 | アダージョの森

森の中に真っ赤な小さな実が風に揺れている。オトコヨウゾメだ。あまり大きくはならない。春には、白くてかわいい花を一杯に咲かせてくれる。

秋が深まると、葉が深い赤色に紅葉する。花、果実、それに紅葉と一年に3回楽しませてくれる樹木だ。
市場にはほとんど出回っておらず、雑木林の隠れた宝物とも言える。

オトコヨウゾメの語源ははっきりしない。ガマズミ類をさす木曽・下伊那地方の方言が「ヨウゾメ」で、食用にしていた。ところが、このオトコヨウゾメは苦くて食用にならないので、「男」の字を冠して、オトコヨウゾメと呼ばれたのではないか、とも言われている。

学名:Viburnum phlebotrichum スイカズラ科ガマズミ属の落葉低木

 


苦いことで有名な昔からの薬草 センブリ

2014-10-04 | アダージョの森

秋になると、森の中の日当たりのいい場所に細い茎が立ち上がってきて、白い小さな花を一斉に咲かせる。

センブリだ。

昔から薬草として利用され、当薬(とうやく)と呼ばれている。苦いことで有名だ。
センブリの名前の由来は「千回振出してもまだ苦い」ということからつけられたとか。

花をよく見ると星形のかわいい花に縦縞が入っている。雄蕊の葯がアクセスポイントになっている。

 学名:Swertia japonica (Schult.) Makino リンドウ科センブリ属


グローブに似た花 アキチョウジ

2014-10-03 | アダージョの森

 関東地方に多いのはセキヤノアキチョウジと言われているが、アキチョウジとセキヤノアキチョウジの区別が付かない。

やや紫がった水色の筒の長い花で、先が上下に開いている。花は、花茎の片側に偏って咲いている。アダージョの森では自生していない。

山野草好きの友人の方からいただいたもので、今年の秋に咲いているのを見るまで、ほとんど忘れていた花だ。

丁子という樹木のつぼみを乾燥させたものをスパイスや漢方薬として使う。いわゆるグローブだ。アキチョウジは花の形がそれに似ているということで、名づけられた。

科名:シソ科ヤマハッカ属
学名:Plectranthus longitubs


華奢な草姿から釣鐘状の花が イワシャジン

2014-10-02 | アダージョの森

日本原産の植物だ。初夏に驚くほど細い茎が立ち上がってきて、それが徐々に大きくなる。どう見ても花を咲かせるようような太さはないが、いつとはなく小さな蕾が膨らんで来て、秋になり花を咲かせる。

釣鐘形の花をぶら下げるように付け、先端が5つに切れ込んでいる。草姿は繊細なので、あまり長く育たないなと思っていたが、毎年毎年、かかざすに咲いてくれるのがうれしい。それものそのはず、原産地では山地の岩場にへばりついて咲いているらしい。実に強健な花だ。

学名:Adenophora takedae

キキョウ科イワシャジン属