日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

ドキドキ・・・西村チーフ

2008-02-01 02:00:16 | Weblog

連休明けの土曜日。雨。 午後出勤。

なんだか、この日の空模様が その後の出来事を予言しているようだった。

売り場へ降りて行くと、西村チーフがいた。

私は日頃から、家庭の用事、英語教室や本の出版準備だの、考えること、やるべき事が山積みで、忙しい。

西村チーフの顔を見て、スーパーマーケットモードに頭が切り替わった。 と、同時に、

「あれ?昨日は金曜日。乾物の発注日・・・。えっ・・・?

急に不安が押し寄せてくる。

「こんにちは。昨日、副店長、定番商品の発注してましたか?」 西村チーフは、優しく のほほんと答えた。

「う~ン。発注してたみたいだね・・・」

発注している姿を目撃したそうだ。

取り敢えず、ほっとする。

「副店長、年末に向けて発注するって言ってましたが、それが昨日だったんでしょうか?」

「うん、確かに、副店長が発注するって言ってましたね」

西村チーフは、そういいながら、壁に貼ってあるシフトを眺めた。

 

私も後から覗き込む。

カレンダーの 18日の欄で、私達の目線は釘付けになった。

18日には、赤ペンで 丸印が付いている。

すなわち、 となっていたのである。

どきっ そうだ。

確かに、副店長は、⑱日に自分が発注をすると、言っていた。

 「もっ・・・もしかして、副店長が言っていた年末の発注って金曜日じゃなくて・・・⑱日の月曜日?」

それって、昨日・・・金曜日・・・誰も発注して・・・ない?

私は続けて、副店長の勤務日が書かれてあるシフト欄に目線を走らせた。

18日 月曜日。休み・・・

「副店長、18日は休みになってますね。お休みの日に どうやって発注するんですか?」

そうよ、月曜日、副店長は休みだ。

どうしても、私が休みだった金曜日に発注を上げておいて欲しいという ほのかな希望に、今は すがりたい。

ゴクン・・・。

「月曜日に休みの副店長が、どうやって発注するのか?という質問ですね?」

のほほん とした雰囲気から一転、真剣な表情に変身した西村チーフは言った。

「多分、明日・・・日曜日に前倒しで発注上げるつもりなのでしょう。そうだ、金曜日の定番商品・・・」

西村チーフはパソコンの前に座り直し、 画面を開いた。

「金曜日って、15日ですね」

画面上に、15日発注分の部門リストが表示された。

リストの中に「乾物」を見つけ、少しだけ、ほっとする。

15日・・・「乾物」決定ボタンをクリックする前、西村チーフは言った。

「ドキドキ・・・

西村チーフの言う通り、ドキドキ、世紀の一瞬だ。

クリ~ック!

画面には「乾物3」 と、表示された。

 

3って、何

発注アイテム数のこと・・・

いつもは、120から150・・・

これって、もしかして・・・

もしかすると・・・。

まだ、確信が持てないでいる私は、そおっと隣にいる西村チーフの横顔を見た。

画面をじ~っと見つめたまま、固まった表情の西村チーフがいた。

私は 時間が停止しているチーフに 恐る おそる声をかけた。

 「あの・・・乾物3って何ですか?」

西村チーフは、とても静かに言った。

「発注、上げてませんね

次の瞬間、稲妻とハリケーンと台風が いっぺんにやってきたような衝撃が身体中に走った。

ガーン!

発注してない

私が水曜日に、前倒し発注しなきゃいけなかったんだ。

「私がしなきゃいけなかったんですね。 ・・・ってことは、荷物は来週水曜日まで全く入って来ないってこと

私はカレンダー(シフト)とパソコンの間を行き来し、 完全に冷静さを失った。

「ええーっ どうしよう、どうしよう。 棚が穴だらけになったら、どうしよう

西村チーフは「乾物3」の内訳を開いている。

お勧めの品の片栗粉と・・・その他2点の計3点のみ副店長により発注されていた。

ということは、月曜日の入荷は私が前倒し発注した開発商品の小麦粉、パン粉、わかめ、ひじき、ごま海苔など のみってこと? カップラーメンは・・・?

私はバック在庫の二台をチラッと見た。

足りない!

私より先に落ちつきを取り戻した西村チーフは、言った。

「・・・ってことは、月曜日に荷物が入って来ないってことですよね。 いいじゃないですか。南副店長が明日、前倒し発注しやすくて。 荷物が 入って来る前に どうやって副店長、発注するのかな・・・って」

私にはチーフの話は半分しか聞こえていない。

そして、最後に・・・。 チーフは親切にも、私を落ちつかせようと、こう 結んだ。

「とりあえず、今日は、平常心で仕事をして下さい

へ・・・ヘイジョウシン 

「・・・は・・・はい・・・

私は、ふらふらと よろめきながら、今日の入荷分の他部門の荷物が待つ、 プラットホームへと消えていった・・・。

ふら~っ。

外は寒く突風だ。

私も一緒に消えてしまいたい。

続く・・・

Comments (2)
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