2007年1月3日。今年 初出勤だ。
仕事始めは、午後からのシフト。
お店の入り口から深呼吸して一歩中へ足を踏み入れた。
「チャン、チャラチャラリン・・・ ポン チャンチャラリン・・・」
なっ・・・何なんだ、このバックぐらうんどミュージックは?
お琴と笛の演奏が流れている。
正月バージョンらしいが、初めて聞く私は、思わず噴き出してしまった!
「違うよ、これ、オープニングの曲!」
と、カトちゃんがハマグリ君に叫んでいた日々が、果てしなく遠い。
ジャンジャンじゃ~んという、行進曲のようなクリスマスソングがBGMだったのは、つい一週間ほど前ではなかったか
時間の流れというのは、実に早い。
さて、B番は 私一人かなあ・・・?と思っていたら、梅子さんが、更衣室へ入ってきた。
私一人かと思った!と、お互いに言いつつ、挨拶を交わす。
「明けまして おめでとう ございます。今年も宜しくお願いします!」
売り場へ降りて行くと、副店長が荷出しをしていた。
「明けまして おめでとう ございます。新年早々、お電話してすみません」
(実は、今朝職場に電話して、副店長を呼び出し、オープン前に、そば、こうや豆腐etcのポップを外しておくように命令したのである)
バックでは、店長がパソコンに向かっている。
「明けまして・・・今年も宜しく・・・」
新年の挨拶回りにかなりの時間を費やした。(ように思う)
挨拶回りをしながら、なんだか、オカシイ・・・と感じていた。
こんなにスタッフは、たくさんいるのに、お客さんが居ない!!
何故? どうして?
し~ン、と静まりかえった店内は、お琴のBGMのイメージとは程遠い、
正月というよりは、むしろ、通夜のような雰囲気である。
初売りなのだから、ホークスの優勝セール並みにお客様の群れで、大混雑するのではなかったのか!?
とりあえず、梅子さんと倉庫へ行き、年末に確保しておいた在庫を運んできた。
在庫を確認した後、今年初の発注。
荷出しを終え、発注もほぼ終了間際、梅子さんが私を呼びに来た。
「コーヒー入れたから、飲もう!早く来ないと、冷めるよ」
なんと、梅子さんは、ポットにコーヒーを入れ、自宅から持参したという。
年末の花岡さんのようだ。
バックへ行くと、西村チーフが紙袋を提げて私を呼んだ。
「あっ、鈴木さん、毎回 同じなんですが・・・宮崎の実家へ帰ったので、お土産です。3つの中から、どれでも、好きなものを選んでください」
はにかみ屋のチーフは、相変わらずポッと赤くなりながら、3つの御菓子を両方の手のひらに並べた。
「わあ~い 宮崎って、美味しい食べ物たくさんあるんですよね~。私、チーズ饅頭が好きなんでっす」
私は迷わず前回と同じ御菓子を頂いた。
「じゃあ、それを茶菓子にして、こっち、コーヒーがあるよ」
梅子さんのエスコートで、私の他にも高田さんetcが 御呼ばれになった。
勤務中に、なんちゅう幸せ者じゃ。
「コーヒー、もうないの?」
高田さんのセリフに梅子さんは言った。
「全員分はポットにないよ」
「けんかをやめて~ 二人を止めて~私のために~」
いきなり、高田さんは歌いだしたのだ。
「わあ・・・懐かしい。 河合奈保子の曲!」 と私。
「えっ 竹内まりや・・・じゃない?」 と高田さん。
「竹内まりや が曲を作って、河合奈保子が歌ってヒットしたんです!」
「へ~。詳しいね」
「この時代は思春期でしたから 私にとっては奈保子や柏原芳江は憧れのお姉さんって感じです」
「可愛かったもんねえ。胸大きかったし」
一同、「・・・・・」
奈保子のところから、会話に参加した竹輪担当の花岡さんも、絶句した。
「そういえば、紅白の裸踊り、見ましたか?高田さん、喜んで観てるだろうなって思いましたよ!これ、ほんまにNHKって、我が目を疑ったわ。子供に見せたくないよ、子供に 」
「うちの子、男の子で高校生だけと、抗議がくるよ!って言ってた・・・」
と、花岡さん。
「抗議が750件殺到したってね」
「ボデイ スーツ着てたらしいけど、リアルで。裸にしか見えない」
「そうなん そりゃあ 観たかったなあ・・・そこだけ」
話題は、いつの間にか年末の紅白に。
そこへ、カトちゃんがやってきた。
「あっ カトちゃん、あんた、良かったよ!北島三郎。盛り上がったやないの」
「はい。前半戦は全く観てないけど、後半の演歌は全部、観ましたよ」
「カトちゃん、あんた、ほんとに19歳 年齢、ごまかしてるんじゃ・・・?」
高田さんと同じ疑問は以前、私も持ったな。あの時は、複数のスタッフに聞き込み捜査をし、事実確認をとったけど?
「北島三郎を見るたびに、カトちゃんを思い出すわ」
私がそういうと、全員同意した。
「 風雪流れ旅・・・」
梅子さんは、そういうと、ブッと噴き出した。
今回の曲目は、『祭り』だったから、まあ・・・紙吹雪は無理かなあ、と思っていた。
ところが、どっこい!色つき紙吹雪が、これでもかあ~というほど、降ってきた時には、家族で大爆笑した。
やっぱり、サブちゃんと、NHKは、こういう演出で意気投合だよね。
そして やはり・・・。
グロッサリーの北島三郎とは、何を隠そう、カトちゃんのことである!
コーヒーと御菓子、ご馳走様でした。
昨年のシメは、おおとりの北島三郎だったが、
新年の初笑いも、サブちゃんことカトちゃんだった
初笑いをありがとう、みなさん。