独り居の充実ライフを求めて!

ご訪問を頂きまして有り難うございます

日本遺族通信 平成22年8月15日号 遺書と九段短歌

2010年08月27日 20時19分02秒 | 日本遺族通信


                 平成22年8月 靖国神社社頭に掲示された遺書
                愛知県出身 陸軍憲兵軍曹 近藤 巌 様 (22歳)
                昭和20年8月19日 東京都にて責任自決 合掌

戦争は残酷です。 
この度、初めて 責任自決 の遺書を拝見させていただき  がこみ上げて参りました。
終戦を確認、復員の命を受けられた22歳のお若い青年が、故郷のご両親に思いを寄せながら、悲しい最後を遂げられました。 合掌 
遺書の一部をご紹介させていただきます。

         謹みて靖國神社の神霊に申す
本日復員の命下れり。
皇國の必勝を信じ、護持の大任を完ふされし靖國の神霊に何と申し上ぐべきや。
只、我が責務の完からざるを思ひ、此処に一死以て詫びんとす。
                                  陸軍憲兵軍曹 近藤 巌
遺 言
謹みてご両親様に申し上げます。
本日復員の命下り、帰郷の余儀なきに至りました。
真に無念に存じます。
多くの戦友に先立たれ、軍人の本分を完(まっとう)ふせず、今更何んで帰られませう。
巌の胸中、お察し下され。
武人として、又、自己の信念の大道を進むべく、此処に死を決します。お許し下され。
  (後 略)
昭和20年8月18日                              巌
ご両親様

戦争は「誤りでした」と大きな声で叫びたい!
然し、父を初め、我が身を省みずお國の為と、ただひたすらに勝利を信じて戦い、散華された多くの英霊の皆様の為に声を荒立てる事は出来ません。
遺族の永遠の悲しみはどんな言葉で言い伝えたら良いのでしょうか。
今の平和な世の中に生きていらっしゃるお若い皆様「自由」・「義務」・「権利」等の意味をしっかり把握して住み良い日本の未来を担っていただきたいと切望致します。

今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられましたのでご紹介させて頂きます。
お目を通して頂けますれば幸に存じます。

   短歌どちより戦の生の話聞き戦地の父の生活偲びぬ        長浜市 女性
   五月晴れ過ぎし昔に沖縄で大戦あり忘れてならぬ         米子市 女性
   ニユーギニア・ウエワクの地で最終の爆撃うけて父は還れず   名古屋市 女性
   夫ねむる温州の海近ければ与那国島への旅のつのるも          横手市 女性
   詣づれば通ふ心の靖国社亡き兄の御魂ありと思へば        城陽市 男性
   七十年祈り継ぎしも南方の父の遺骨は帰らざるまま        青森県 女性
   満天の星に兵たりし父の事たづね仰ぎぬ少女の吾は        大阪市 女性
   葉桜に風も緑の日本に帰らぬ御骨に日々の流れぬ         篠山市 男性
   笙の音は父の声とも思ひたし穏しく聞ゆ緑の杜に        名古屋市 女性
   激戦に中支に果てし兄の碑に蝶二匹きて墓をめぐりし       京都市 男性
   夫の忌はまた巡り来し沖縄に「基地はいらぬ」の声の揚がりぬ   常滑市 女性
   慰霊堂に空襲伝ふる写真展予想を超ゆる惨状ばかり        千葉市 私

7月号には妻のお立場のお方のお歌が1首だけでしたが、今号にはお二方のお元気なご様子が伺えて大変嬉しく存じました。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする