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日本遺族通信 平成23年6月15日号 遺書と九段短歌

2011年06月23日 07時21分04秒 | 日本遺族通信


                     平成23年6月 靖国神社社頭に掲示された遺書 合掌
               
今号も結婚後四ヶ月余日にして奥様とお別れをしなければならなかったお若いお方が奥様の今後をお母様にお願い申し上げなければならない哀しい 「遺書」 をご紹介させて頂き、ます。
此度の戦斗にて大君の御為に死所を得ました事は、皇国に生を享くる男子としての本懐、正に之に過ぎるものはありません。      (中 略)
尚、京子の件に関しても、結婚後僅々四ヶ月余日の生活にて、夫を失ふ身は誠に不憫とは考えますが、出征前能く能く申聞かせ既に覚悟の程も出来居る事と存じますれば今後は本人とも充分
ご相談の上、宜敷御取計らひ
下さいます様、御願ひ致す次第で御座居ます。    (中 略)
母上の御幸福を蔭乍ら御祈り致します。
  昭和十九年四月二十九日                                  岡  敏雄
 御 母 上 様

ご覚悟の遺書に時代、國の為とは言えあまりにも悲しすぎます。

被災地の皆様には今尚、厳しい生活を強いられておりますことに心が痛みます。
今日6月23日は先の大戦で、一般住民を含む多くの尊い命が失われた 「沖縄慰霊の日」 です。
「沖縄平和祈願慰霊大行進」 も今年で記念すべき50回目を迎えます。
戦没者が辿った道程を行進し、平和を祈願するものとされております。
全国から参加されますご遺族の皆様、どうぞご無理のございませんように  申し上げております。

今号にも戦争遺児、遺族から鎮魂の歌が寄せられております。

お目を通して頂けましたら幸に存じます。

   雪国に育ちし父が眠りゐるフィリピンの海蒼きその底         伊達市 遺児
   兵父は如何に没せしラバウルの浜辺の熱き砂握りしむ          富士吉田市 遺児
   さざ波の光る南方の海静か戦死の父の安らなるごと          青森県 遺児
   歳月はことなく過ぐに夕暮れは未だに恋し兵たりし父         大阪市 遺児
   亡き母がアルバムに貼りし四十二通征きて還らぬ父よりの文なり      
足利市 遺児
   今春も日本列島霾(ばい)おほふ土となりたる兵の念(おも)ひか  南相馬市 遺児
   収骨の叶はぬ夫の墓に佇ち無念の想ひいよいよ深し          諫早市 妻
   戦死の父電話工手となりし折の二十歳の辞令金庫より出づ         うきは市 遺児
   大地震の瓦礫の画像に大戦の母の苦労を重ね偲べり             古屋市 遺児
   震災のニュース聞くたび胸痛む携はる人思ひてなげく         名古屋市 遺児
   甦る散華の父の面影は幼き我に絶えず微笑む              尾道市 遺児
   戦死者と新たな死者への鎮魂に黙祷を捧ぐ汽笛とともに         千葉市 私

コメント (4)
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