平成26年8月 靖国神社社頭に掲示されました遺書 合掌
平成26年8月15日は69回目の終戦記念日を迎え、東京武道館において全国戦没者追悼式が挙行されました。
式典には天皇、皇后両陛下をお迎えして、全国戦没者の遺族約4600人が参列、先の大戦で亡くなりました軍人・軍属や民間人約310万人を追悼しました。
参列した遺族の最高齢は難波いそ様(100才)でした。
過去の苦労を思い出して涙する場面も在りましたが、その苦労も癒えましたかのようにお元気なお姿で穏やかに平和を願うコメントを述べられましたお姿をTVで拝見致し、
安堵致しましたのは私一人ではなかったと思います。
戦没者の父母の参列者が一人もいないのは4年連続、戦没者の妻の参列者は昨年より3人多い19人、20年前の100分の1と報道されました。
そして遺族を代表して妻のお立場の牧野笑子様(88才)が「遺族の悲しみ、悲惨な戦争から学んだ教訓と平和の尊さを次の世代にしっかりと
伝え、哀しい歴史を二度と繰り返さないことを誓う」と述べられました。
各新聞紙上では、安倍首相がアジア諸国への「加害責任について」は、昨年に続いて今年も言及せず、同様に「不戦の誓い」との表現も使わなかった。
と書かれておりましたが、難しい事は解りません。
ただただ平和な世界の構築を祈るばかりです。
戦争を知らない国民が多くなりました現在、悲惨な戦争の事実も遠い過去の事になりつつありますが、事実は事実として継承して参りたく考えております。
私たち遺族は命ある限り鎮魂の歌を詠み続けて参ります。
今号にも12名の遺族関係者の鎮魂の歌を掲載していただきましたのでご紹介させて頂きます。
お目を通して頂けましたら幸に存じます。
「祭神の記」開きて諭す我が孫に祖父亡き家の終戦の日 甲州市 遺児男性
ただひとつ吾に寄りくる蛍あり父の霊かとそつと手にのす 上田市 遺児女性
「また来年」確証もたねど神楽祭終へて青銅の鳥居を仰ぐ 鳥栖市 遺児女性
パラオ諸島のこんな小さなベリリューに一万の兵玉砕するとは 富士吉田市 遺児男性
震災の尋ね人も今は亡く三年を過し想い出の日々 宮城県 遺族男性
広島や長崎被爆終戦記念日我れ等忘れてならぬ さいたま市 遺児女性
父亡きあと傘寿を越えし我なれど遺影に向ひて迷ふことなし 佐世保市 遺児男性 「鳥海」艦長子息
戦友会いよいよ閉じる便あり告げたる友も逝きて帰らず 篠山市 遺児男性
顔知らぬ想い出もなき父なれど遺影の彼はさはやかなりき うきは市 遺児男性
叔母逝きぬ兄を戦地に失ひし悲しみに耐え八十八才 東松山市 遺族男性
戦死者の父母は逝き妻も逝き靖國を訪ふ人若くなりたり 足利市 遺児女性
両陛下対馬丸の犠牲者の小桜の塔に深く額づく 千葉市 遺児私
お陰様で今号で99首の掲載を頂くことが出来ました。
今年10月15日号で投稿から10年を迎えますが、毎年多くの掲載を頂いておりますことに大きな励みを頂いております。
いつも多くの皆様にお尋ね頂いておりますことに心から御礼を申し上げます。